落石被害の黒部峡谷鉄道 来年度以降の全線開通時期は見通せず
能登半島地震による落石被害で今シーズンの全線開通を断念して営業している黒部峡谷鉄道と工事を担う関西電力は27日、復旧工事の進捗状況を説明しました。2025年度以降のトロッコ電車の全線開通の時期は現段階では見通せないとしています。
トロッコ電車で知られる黒部峡谷鉄道は、能登半島地震で宇奈月からおよそ14キロ上流にある鐘釣橋が落石の被害を受けました。
さらに橋の上の山の斜面で、高さ14メートル、重さ250トンを超える岩の塊が上下に50センチほどずれていることが分かりました。
復旧工事には時間がかかり、トロッコ電車は今シーズン、欅平駅までの全線開通を断念し、猫又駅までの往復運転で営業しています。
工事現場へはトロッコ電車のほか、新たに設置した4人乗りのモノレールやはしごを使って宇奈月駅から2時間あまりかけて移動しているということです。
7月25日からは作業員8人が、不安定な岩の塊を火薬を使って砕くなどして取り除いていて、この作業は現在、4分の1ほどが終わり、2024年11月までに完了する予定です。
一方、岩盤に隠れた部分の状況によっては作業量が変わるとして、現段階では2025年度以降のトロッコ電車の全線開通の時期は見通せないということです。