【今年にかける挑戦者たち】音楽で紡ぐ地域の絆 休業施設を再生へ
エブリィでは、今年にかける県内の挑戦者たちをシリーズでお伝えしています。
きょうは、コロナ禍で休業に追いやられた施設の再生に取り組む、シンガーソングライターです。
音楽を通し、地域の交流の場をつくろうと奮闘する姿を取材しました。
シンガーソングライター KEITOさん
射水市出身のシンガーソングライターKEITOさん(27)。
おととい、「特別な場所」でライブを開きました。
KEITOさん「この場所はもともと私の祖母が始めた富山型デイサービスの施設だった場所を休業中ということで。自分らしい方法でこの場所を引き継ぐことができないかと考えて、OHANAというアートギャラリーをチャレンジさせていただくことになりました」
音楽の道を志し、19歳で上京したKEITOさん。
これまで東京や大阪など各地を回るツアーを開催するなど精力的に活動してきました。
そうした中、ふるさとでは新型コロナの感染拡大が、家族で営んできた富山型デイサービス施設の経営に暗い影を落とします。
去年秋、2つあった施設のうち1つが休業を余儀なくされました。
幼いころから施設の利用者に交じって多くの時間を過ごしてきた大切な場所。
このままなくなってしまうことに寂しさを感じたといいます。
「私的にもこの場所がなくなるのはすごい寂しいというか、皆さんの居場所がひとつなくなってしまうようなことなんじゃないかと思っていて、なんとか続いていけばという思いがあった中で、自分はそのままデイサービスを継ぐことはできないけど、今だったら音楽の力でこの場所を続けていくというのができるんじゃないかと思って…」
「自分の原点の場所をコミュニティの場にしたい」
自身の原点である場所に、誰もが自由に集えるコミュニティの場を取り戻したい。
KEITOさんは、音楽などを披露するアートギャラリーとして再生できないか考えるようになりました。
「おばあちゃーん!」
背中を押してくれたのは、78歳となる今も福祉施設のスタッフとして働く祖母、淳子さん(78)でした。
祖母・淳子さん「夢っていうのは、私は実現すると思っているんです。KEITOが夢をもってこの音楽の道に進んだ時、夢を持ったらいいなって。絶対に夢を持つことは実現するって思って見ています」
KEITOさん「感動してしまう…泣いちゃう」
止まっていた施設の時間。
KEITOさんの熱い思いで再び、動き始めました。
新たな拠点は、ハワイ語で「家族」を意味する”OHANA”と名づけました。
年齢や障害に関係なく利用者が家族のように過ごす富山型デイサービスの理念を受け継ぐ思いが込められています。
KEITOさんはオリジナルソングに思いを乗せ施設のオープンを祝いました。
♪Feel 何も言わなくてもただそこに君がいてくれること Feel 僕にとっての全てそれだけでいい Feel 話してくれたこと あの日の記憶、ここにあるから 僕はずっと僕でいられる この場所を この時間を Feel my Heart Middle of my heart.
祖母・淳子さん「夢は実現すると思っている」
祖母・淳子さんと
「歌はもう感動して、ノリノリで。口ずさんだり踊ったりしてた」
「一番ノリノリだったね」
「ノリノリです、はい」
「思いやりと努力(を忘れず)」
「がんばってねぇ~」
「頑張ります!」
KEITOさん「この場所、この施設が大好きなので、やっぱりここで歌っているといつものライブの景色とは違うけど 自分が想像していたよりたくさんの人に来てもらって楽しんでみてくれて すごくうれしかった」
祖母が守り続けてきた大切な場所を今度は自分が「音楽の力」で守っていきたい。
KEITOさんの今年にかける思いです。