富山市水橋漁港 施設や網に被害 どうなるホタルイカ漁
今回の地震は、富山湾の漁業にも大きな影響を与えています。3月からのホタルイカ漁を控えた富山市の水橋漁港でも、沖合いの定置網や港の設備が壊れ、危機感を強めています。
9日、富山市北部の水橋漁港です。
岡田キャスター
「これ、地震の前はどういう感じだったんですか?」
水橋漁民合同組合 安倍久智組合長
「あっちと一緒でくっついていた感じです」
護岸が大きく湾曲しているのが確認できます。船を揚げるレールはご覧の通り。使えなくなってしまいました。
漁港の中心といえる荷さばき施設では。
水橋漁民合同組合 安倍久智組合長
「見ての通り。30センチくらい。下がっているのかなって」
普段、魚の選別や出荷に使いますが、現在は水が出ず、氷も作れない状況が続いています。
安倍組合長が漁港の様子を見に来たのは津波警報が解除された地震の翌日。その後も日ごとに地面の亀裂が広がっているといいます。
水橋漁民合同組合 安倍久智組合長
「ほんとにぐしゃぐしゃってなっているから分かりずらいと思うんだけれども、この辺とか、網がないですよね」
沖合いには定置網が5か所ありますが、今回の地震で全てが壊れました。壊れた部分は、一部が海から引きあげられています。
水橋漁民合同組合 安倍久智組合長
「これ、段取りするのに11月から乗り込んできて、やっと12月30日に完成したばかりで、初起こしが1月4日からだったんですよ。地震発生して、1回も漁できずに回収してきたという感じです」
組合は、被害額についてわかっているだけで6000万円以上と見込んでいます。水橋漁港の漁獲高は年間2億円。そのおよそ8割がホタルイカ漁によるものです。2024年も3月の解禁を前に準備を進めてきましたが、被害が大きく、影響は避けられません。
水橋漁民合同組合 安倍久智組合長
「ホタルイカはシビアな品物なので他の浜とかに移動することはできないので、仮施設を作ってもらって、雨風しのげるようにしてほしいと思っています。3月1日までに100%とも言わず、50%くらい、復旧できればなと思っています」
組合は、2月まで定置網による漁を取りやめ3月1日のホタルイカ漁開始に向けて全力を注ぐ方針です。
組合は、今後、県や市などに復旧支援の要望を行う予定です。水橋に限らず、9日にお伝えした新湊など漁業への被害が県内で広がっています。