豪雨被害で全線運休のJR美祢線・復旧には58億円以上かかる見通し…初の検討部会でJRが示す
大雨による被害で全線運休となって1年が過ぎたJR美祢線。
交通の早期復旧に向け、鉄道、または鉄道以外での復旧の可能性を検討する部会の会議が28日から始まり、JRは鉄道の復旧には58億円以上かかるとの見通しを示しました。
JR美祢線の全線運休を受け、28日から始まった「復旧検討部会」。
交通の早期復旧に向け、鉄道による復旧と鉄道以外の輸送体系による復旧の2つの可能性を、利便性やコスト、災害耐性などの観点から調査・検討するものです。
沿線の美祢市、山陽小野田市、長門市の3市と県とJRで構成されています。
(JR西日本広島支社 能登 一明 地域交通課長)
「自治体の皆様の考えや経緯を踏まえて、鉄道での復旧の議論を進めることに異論はございません。弊社単独での復旧や運営は困難だと考えていますので、復旧後の運営方法を変更したうえで、(これまでの)鉄道で復旧した事例を共有させていただきたい」
28日の部会では、鉄道による復旧の整理・検討が行われました。
JR西日本は、鉄道復旧にかかる試算を初めて示し、厚狭川の改修工事の実施を前提に鉄道で復旧する場合の費用は概算で58億円以上、必要な期間は着工から5年程度を見込むとしました。
(美祢市総務企画部 中島 紀子 地域振興課長)
「(JR側)がこれまで主張されてきた内容を改めて説明されたものと受け止めています。自治体としては被災後から一貫してJR単独での復旧運行を求めてきております。双方の考えを引き続き確認しながらいろいろな復旧パターンを検討していきたい」
次の部会は10月を目途に行われ、鉄道以外の輸送体系による復旧の整理・検討なども行われる予定です。