「いのち」を問いかける…山口県立大で「生命のメッセージ展」
山口県立大学では、週末、事件や事故で亡くなった人たちの等身大パネルを展示する=『生命のメッセージ展』が開かれました。
「メッセンジャー」と呼ばれる人型のパネル。
写真に写っているのは事件や事故によって命を奪われた人たちです。
そして、その足下には生前、愛用していた靴が置かれています。
(社会福祉学部2年 中野 美羽さん)
「こちらにも小さいパネルがある。お腹に赤ちゃんがいた状態で亡くなったのでお母さんと赤ちゃんの両方にハートをつけて、両方に命があったんだよということを示している」
「生命のメッセージ展」・・・
県立大学の社会福祉学部の学生が犯罪被害者の支援などについて学ぶ講義の一環として、企画しました。
(社会福祉学部2年 中野 美羽さん)
「ちょっとした擦れだったり汚れだったりするものすべてが、その人の『生きた証』そういうことをひしひしと感じて、この人は生きていたんだという証がちゃんと残っているというのが印象的でした」
学生の展示に協力したのは防府市で犯罪被害者の家族などの支援に取り組むグリーフサポートやまぐち。
代表の京井 和子さんは2000年7月、飲酒運転による事故で長女の佳奈ちゃんを失いました。
会場には当時4歳だった佳奈ちゃんのメッセンジャーも並んでいます。
(グリーフサポートやまぐち 京井 和子代表)
「生々しいかもしれないがこれが現実ひょっとしたら自分が被害者、加害者になるかもしれないという何かのきっかけづくりになれば
『生命のメッセージ展』は例年、学園祭の「華月祭」にあわせて開いていましたが、去年までの3年間はコロナ禍で中止に。
4年ぶりの開催となったことしは21人のメッセンジャーが来場者に「命」を問いかけました。
(福岡県から)
「そういった体験はないが少しでも近づけるのかなと。靴を見ることによって気持ちが迫ってくるような上手く言えないけど不思議な感じになった」
ことしの『生命のメッセージ展』には2日間でおよそ330人が訪れたということです。