国の名勝指定100年を記念した特別展「長門峡 峡谷の美景」萩博物館で開催中
ことしは長門峡が国の名勝に指定されて100年となります。
萩市の萩博物館で、名勝指定に深く関与した日本画家・高島北海などを称える特別展が開かれています。
萩出身の日本画家=高島北海が描いた長門峡です。
北海は、長門峡の絵を売って、ある事業を成功させました。
(平岡 崇学芸員)
「長門峡の絵を100本描いて、1本100円で販売して、1万円を得ようとした。その1万円をぜんぶ寄付して、長門峡に道を作ろうと考えた」
結局、絵は160枚売れ、現在のおよそ1000万円が長門峡の道の整備にあてられました。
萩博物館の特別展「長門峡ー峡谷の美景」。
このタイトルは長門峡と名付けた北海の言葉「峡谷の美景としては、この長門峡が日本第一であると私は絶叫します」に由来しています。
江戸時代に描かれた巻物には、いまは見ることができない長門峡の姿が残されています。
(平岡 崇学芸員)
「藩士たちが道なき道を歩いていることがよく分かります」
「しかしながら現在この場所は、ダムの底に沈んでいるところです」
一方こちらは詩人=中原中也の長門峡にまつわる直筆の詩と手紙です。
手紙には、中也が「長門峡の料理屋で酒を飲み過ぎて嘔吐し、血を吐いた」と書かれています。
この特別展は萩市の萩博物館で、12月3日まで開かれています。