地震から“完全復活”のとじま水族館 震災からの歩み…飼育員の思いとは
華麗なジャンプで会場を沸かせるイルカたち。
のとじま水族館では先週、人気のイルカショーが約1年3か月ぶりに復活しました。
来場者:
「すごくてたのしかったです」
「おもしろかったです」
のとじま水族館・松岡 哲也 さん:
「お待たせしましたというような感じですね。これからどんどん盛り上げていきたいと思います」
地震により配管やボイラーが壊れるなど大きな被害を受けた水族館。
発災当初、ジンベエザメが泳ぐ水槽は…
魚類・クラゲ担当・田中 緑乃 さん:
「このあたりまで水位が下がりまして、水深が6.5メートルありますが、それが2メートルくらいまで下がって」
水を循環するための配管が割れ水位が低下。
水族館全体で90種類4000匹の生き物が犠牲になりました。
魚類・クラゲ担当・田中 緑乃 さん:
「もう言葉にならないような思いでしたね。とにかく生きられる子たちは生き残したいなという思いでした」
あたたかい地域で暮らす生き物も温度管理ができず、多くが犠牲となりましたが、奇跡的に生き残ったのが…
魚類・クラゲ担当・田中 緑乃 さん:
「右側にいる子と、今こっち向いた子と、奥に向いている子ですね」
ミナミトビハゼというハゼの仲間。
普段は25度前後で暮らしていますが、地震のあと、冬の寒い環境のなかでも3匹が生き延びているのを見つけたといいます。
魚類・クラゲ担当・田中 緑乃 さん:
「奇跡ですね。裏で大切に飼育してました」
新たな生き物たちも迎えこのエリアも22日から再開することができました。
避難を余儀なくされた生き物たちも戻って来ました。
「ふせ、あおむけ」
ショーでも活躍していたアシカたち。
今月中旬、避難先から2頭が約1年ぶりに戻って来ました。
イルカ・アシカ担当・戸田 裕章 さん:
「こんなに離れることってなかったですし、会えてよかったです」
アシカ舎も新設し、間近で見られるようにとガラス張りの展示スペースを設けました。
イルカ・アシカ担当・戸田 裕章 さん:
「普段過ごすところの環境の変化にまずは慣れてもらうことを重点的にしています。その環境が慣れてからショーに向けての練習もしていきたい」
愛情をたっぷり注がれながらショーの復帰に向けて着々と準備を進めています。
「えらいねあなた、ほんとに」
地震から1年3か月。完全復活を宣言した水族館。
春休み期間中はオリジナルグッズのプレゼントなど完全復活キャンペーンを行っているということです。