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地震乗り越えた作品も 現代美術展「輪島展」 復興に文化の力を 

2024年7月12日 19:40
地震乗り越えた作品も 現代美術展「輪島展」 復興に文化の力を 
県輪島漆芸美術館では13日から現代美術展の巡回展が始まります。能登半島地震で美術館自体も被災しましたが、仮復旧しことし初の展覧会となります。

県内最大の公募展「現代美術展」その輪島での巡回展の開幕を前に、12日、開場式が行われました。

現代美術展の本展は終戦直後の1945年10月に第1回目が開催されていて、今回、地震から間もない時期の輪島展の開催は現美の「原点」と重なります。会場の県輪島漆芸美術館は元日の地震で地盤が隆起するなどの被害を受け、臨時休館が続いていて、今回がことし初の展覧会。地元作家の作品を中心に工芸や日本画、洋画など6部門合わせて35点が展示されています。

こちらは人間国宝小森邦衞さんの作品です。

小森さんは元日、輪島市の自宅で被災し、ことしの現美に出展する予定だった作品も被害を受けたといいます。

小森邦衞さん
「(今回の作品は)現美に出すつもりじゃなくて、物を作っていた中の1点であってそれが無事に残っていたのでそれを仕上げて出品した。展覧会の中に自分の作品があるのはうれしいことだなと思っています」

また、輪島市の坂口市長は文化の力で復興を後押しし、途絶えさせてはいけないと語りました。

坂口茂 輪島市長
「作家の皆さんが大変な中に打ち込んできた姿も見ていただいて自分たちも明日からまた頑張ろうという気持ちになっていただければ」

現代美術展 輪島展は今月21日までで、「多くの人に足を運んでほしい」 という美術館の意向を踏まえ、入場は無料となっています。