サクラ前線能登へ 被災地にも春の便り 咲き誇る1000本のサクラ
桜前線が能登へと北上しています。
地震の爪痕が残る七尾や穴水、輪島の桜の名所を訪れるとさまざまな思いを抱えながら花に癒される人々の姿がありました。
桜の名所として知られる輪島市の一本松公園。
およそ1000本の桜が見頃を迎えていて地元の園児たちが散策に訪れていました。
(Q桜のお花どう?)
園児:「かわいい」
(Qどんなところかわいいですか?)
園児:「ピンク」
先生:
「きょうはお天気がよくて、子どもたちも園の中にいるよりもこうやってお花眺めて少しでも心安らいだりとか癒したりしてもらえればいいかなと思って」
子どもたちはピクニックシートを広げたり公園を駆け回るなど先生や友達と思い思いに楽しんでいました。
一方、輪島市内に建てられた仮設住宅の前でも桜が花を咲かせています。
仮設住宅に住む人:
「桜見ればきれいやけどね、きれいでも、そんなどころじゃない、桜眺める余裕ないわ」
「どうすればいいかとこれからのこと考えると、桜どころじゃない」
元の生活に戻ることができないまま春を迎えた奥能登。穴水町の能登鹿島駅でもおよそ100本のソメイヨシノが見頃を迎えています。のと鉄道は先週、全線での運行を再開したばかりですがきょうは桜を目当てに多くの人が訪れていました。
訪れた人:「見られると思わなかったこんなに咲いてよかった」
地震の影響で枝や幹が折れてしまったものもありましたが、地元の桜保存会が整備するなど開花に向けて準備を進めてきました。
能登鹿島駅さくら保存会・堂前 勇次郎 会長:
「前回17年前の地震よりはたしかに(被害が)ひどかったですね。今回は」
「こういうときで皆さん大変でしょうけど、桜見て少しでも元気になってくれればと思います」
来月1歳を迎える子どもと花見に来たこちらの家族。
能登町出身の父・忠大さんは地震で実家が大きな被害を受けたといいます。
「こういう大変な中でもこんな桜がきれいに咲いてよかったなと思いますね」
「昔からのきれいな能登で、この子の成長にあわせて復興して元通りになってく姿を見せてあげられたらなと思っています」
こちらのソメイヨシノは5分咲きから8分咲き。
週末には満開を迎えそうです。
一方、七尾市の桜の名所では。
テレビ金沢 川島 記者:
「七尾市の小丸山城址公園では地震により一部エリアが立ち入り禁止になっています。一方で制限が解除されたこちらでは、開放的な空間で桜を楽しむことができます」
小丸山城址公園は現在8分咲き。
地割れなどの危険があるためすべてのエリアが立ち入り禁止になっていましたが、「桜が見たい」などの声を受け応急的な整備を実施。
先週、第2公園が花見に合わせて開放されました。
訪れた人:
「(開放されて)よかった~まだ散る前で、1番いいときじゃないですか、毎日見てるんで」
「力が湧くっていうか、慰められて、元気ももらって感動して、なんだろうね、宝物みたい、桜が。大好きです。いや~いいですね」
被災地でもいつもとかわらず咲くサクラ。
傷ついた能登の風景にほんの少しだけ春の便りを運んでいます。