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増える「ながらスマホ」自転車事故 罰則強化で高校生たちが手づくり教室

2024年11月20日 18:58
増える「ながらスマホ」自転車事故 罰則強化で高校生たちが手づくり教室
通話に、調べものに、と便利なスマートフォンですが、使う場面を誤ると、危険な事故につながります。
11月1日から罰則が強化された自転車の「ながらスマホ」。
こうした交通ルールを浸透させようと高校生たちが立ち上がりました。

通勤通学で多くの人が行き交う金沢市内。なかにはスマートフォンを操作しながら自転車を運転する人も…

こうした自転車の「ながらスマホ」。今月から罰則が強化されました。

これまでの罰則では5万円以下の罰金でしたが、道路交通法の改正により6か月以下の懲役、または10万円以下の罰金に。
さらに、交通事故など、危険を生じさせた場合には1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

罰則強化に、街の人は…

街の人は…:
「かなり重くなった印象ありますね。人とぶつかりそうになったところとかは見たことありますけど、けがを防ぐためにはしょうがないとは思います」
「危ないし、事故とか減るのにつながるのならいいんじゃないかな」

今回の道交法改正では「自転車の酒気帯び運転」も新たに罰則の対象となり、自転車の危険な運転には厳しい目が向けられています。その理由は…

石川県警本部交通企画課・牧 良一 次席
「近年、自転車運転中の携帯電話使用等に起因する交通事故が増加傾向であることや、自転車の酒気帯び状態で運転した際の交通事故が死亡・重傷事故につながる危険性が極めて高いことから、交通事故を抑止するため罰則が整備されたものであります」

警察庁のまとめによると、去年1年間に全国で発生した自転車が絡む交通事故のうち、携帯電話を使用していたケースは139件発生しています。
その数は、10年前と比べて2倍に増えています。この内、通話中が約1割、残りの9割はスマホの画面を見ていました。

こうした中…自転車の「ながらスマホ」少しでもなくそうと、活動する人たちがいました。

「自転車はどちらの交通ルールを守らなければならないのでしょうか?」
「車ー!」

その一翼を担うのは、交通安全を呼びかける高校生の自主組織「ヤングイーグル隊」のメンバーです。

金沢東警察署管内にある4つの高校から100人を超える高校生が参加していて、月に1回程度交通マナーを伝える活動を行っています。

罰則強化を1か月後に控えた10月。

この日は自転車の新しいルールを多くの人に知ってもらうためのアイデアを出し合いました。

高校生:
「学校の放送で呼びかける」
「自転車安全交通ウィークなど何かしら名前を付けて出すことで、生徒の意識に残ると思う」
警察官:
「意識付けして『ちゃんと守って』と言っても守らない子多くない?」
高校生:
「真っ直ぐな子もいれば斜に構える子も…そういうのがかっこいいと思っている子もいるんで」
警察官:
「中高生の交通安全教室に行っているんですけど『またこの話か めんどくさいな』という感じになったり…(交通安全教室)聞きたい?」

高校生:
「おもしろく…(ない) ポップでユニークな感じなら… 映像だけでもいいから、みんな聞く気になるんじゃないかな。みんな寝てしまうから」

こうした中、一つの案が…

高校生:
「高校生目線だからこそ言える立場になって、小学校とか中学校に行って交通安全を呼びかける集会とか、聞くよりも話したほうが身にも付くし、そっちのほうがやる気になるかなと」
警察官:
「人に教えようと思ったらもっともっと自分でも知識入れんとね」
高校生:
「小中学生に教えるから自分たちが知識ないと恥ずかしい」

今回は高校生が“先生役”となって地域の子どもたちを対象とした交通安全教室を企画することになりました。

そして迎えた11月5日。

高校生:
「今日のためにこれでもかと練習してきた」
「子どもたちにわかりやすく教えていけたらいいなと思います」

児童館に集まった20人の子どもたちを前に、いよいよ交通安全教室が始まりました。
ながらスマホがどうして危険なのか、わかりやすく伝えるために彼女たちが考えたのは…。

「スマホを見ながら歩いたときと、スマホを見ないで歩いたときにどのような違いがあるのかを体験してもらいたいと思います」

用意したのはコーンを立てた簡単なコース。
まずは、そのまま歩いてもらうと、子どもたちは難なくクリア。さて、ここからが本題です。

スマートフォンを手に持つと…頑張って歩いてはいますが、少し足元が気になった様子。

こちらの女の子は…スマホなしで歩くとスムーズに…

スマートフォンを持つと…一見、問題なく歩いているように見えますが、あれ?わかりましたか?

スピードが落ちて、さらに、ルートも違います。

「スマホ集中しながら見てたら、緑と緑の間のコーンがぼやけてて、離れているのか離れてないのかわからないから難しかった」

参加した児童:
「交通ルールの大切さがわかりました。事故が起こったら大変なことになるから事故は起こしてほしくない。スマホを見ないでほしい」

手づくりの交通安全教室を無事終えて高校生は…

高校生:
「すごく基礎的なところだけど忘れていたことがいっぱいあって、改めて気づかされたところが数々ありました」
「みんながルールを守ったら絶対に事故とか起こらないし、この地域で事故をなくしていきたい」

罰則が強化された自転車の交通ルール。
悲しい事故を少しでもなくそうと、奮闘している人たちがいます。

最終更新日:2024年11月20日 18:58