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「みんなに出会えて本当によかった」石川県内の中学校で卒業式 地震と豪雨…能登の卒業生の思いは

2025年3月14日 19:33
「みんなに出会えて本当によかった」石川県内の中学校で卒業式 地震と豪雨…能登の卒業生の思いは

県内の多くの中学校では、14日卒業式が行われました。能登の被災地でも子どもたちが様々な思いを胸に門出の日を迎えました。

「卒業生、入場」

14日、輪島中学校で行われた卒業式。

去年は、地震の影響で校舎が被害を受け消防署を間借りして行われましたが、ことしは89人が学び舎で門出の日を迎えることができました。

卒業生代表・逢坂 風希さん:
「いよいよ3年生になろうとしていたとき、能登半島地震が私たちを襲いました。これからどうなるのだろう、仲間たちは無事なのか、何もわからないまま不安な毎日を過ごしました」

去年の震災後...親元を離れ、2か月間に渡り白山市に集団避難した生徒たち。
さらに、その半年後には奥能登豪雨が発生。当時、この中学校に通っていた喜三翼音さんが亡くなりました。

卒業生代表・逢坂 風希さん
「3年間一緒に思い出を作ってきた仲間たち。地震で輪島を離れた仲間たち。そして、ずっとずっと遠くへ行ってしまった仲間」

「みんなに出会えて本当に良かった。私たちのふるさとはこの輪島です。またいつかこの地で会いましょう」

いつの日かまた、ふるさとで再会したい。

その思いを胸に4月からの新たな生活へ。


卒業生:
「きついことを乗り越えてどんどん笑顔で真っ先に進みたいです」
「ことしはつらいことしかなかったから、高校1年生からめちゃくちゃ楽しみたいと思っています」
「つらいことが多かったけど、その分楽しいこともたくさんあったので充実した3年間でした」

一方、能登町の小木中学校では。

卒業生代表・和田 悠河さん:
「閉校するのはとても寂しいですが、中学校の伝統はこれまで受け継がれ、私たちの中に残っています」

ピーク時、600人だった生徒数は現在26人に減少し来年度からは能都中学校に統合されます。

卒業生を見守るのは伝統の「とも旗」です。海の安全や豊漁を祈る「とも旗祭り」で船にかかげられるとも旗は毎年、授業の一環で小木中の生徒が制作してきましたが閉校にともない学校としての取り組みは今年度が最後となりました。

卒業生:
「全部楽しかったけど、文化祭とか修学旅行が楽しかったです」
「地域に残っている人たちも思い入れがある学校だと思うので、その辺は私たちが次の時代にこれまでしてきたようにつないでいきたいなと思います」

門出の日を迎えた卒業生たちは母校への思いを胸に、新生活へ気持ちを新たにしていました。

最終更新日:2025年3月14日 19:33