【解説】どうなる大阪延伸 北陸新幹線のルートは…小浜?米原?議論再燃
「ことし3月福井県の敦賀駅まで延伸した北陸新幹線。次の焦点は、敦賀から大阪までをいかに早く繋ぐかですが、そのルートについていま議論が再燃しています。ここからは県政担当の平田記者とお伝えします」
平田真彦 記者:
「よろしくお願いします」
市川:
「県内では一部で、「米原ルート」への再考を求める声が出てきていますが、改めて、敦賀以西のルートはどうなっているのでしょうか?」
平田:
「現状、福井県小浜市を通り京都を経由して新大阪に向かう「小浜ルート」に決まっています。このルートは金沢から新大阪まで1時間19分でつながるとされ、想定される工期は15年。一方、「米原ルート」は琵琶湖を挟んで反対側を回り、米原駅につなぐルートです。乗り換えが必要となりますが建設する距離は小浜ルートの半分以下で工期は10年となっています」
市川:
「もともとは、この2つのルートを含む3つの案の中から2016年に与党のプロジェクトチームが「小浜ルート」に決定したんですよね?」
平田:
「はい、しかし県内では米原ルートを推す声が南加賀を中心に徐々に強まってきています」
市川:
「現状の「小浜ルート」かそれとも「米原ルート」への再考か。混とんとした状況になってきているんですね」
平田:
「先週は、県議会最大会派の自民党が米原ルートへの再考を国に求める決議案を6月定例会に提出する方針を決めています。馳知事は小浜ルートを推す立場ですがこうした動きが今後影響を与えるかも注目です」
市川:
「なぜ今こうしたルートの議論が再燃しているのでしょうか?」
平田:
「最も大きな理由が、敦賀以西の着工時期が見通せない状況だからです。着工には環境に影響を及ぼさないか調査や評価などを行う環境アセスメントが必要です。こちらが環境アセスメントの手続きで、方法書や準備書など、全てが終われば着工することができ、当初は2023年春の終了を目指していました。ただ、京都の地元住民への説明会などに時間がかかり、現在はこのアセスメントの現地調査が終わった段階となっています」
市川:
「その現状の「小浜ルート」について、京都の人たちはどう感じているのでしょうか?」
平田:
「今回、小浜ルート上にある京都府の美山町を取材しました」
平田:
「今回の京都での取材では「小浜ルート」について、賛成、反対、いずれの意見も聞かれました。小浜ルート上にある地域では環境への影響の面などから反対の意見や説明が少ないという意見もあり、国には改めて、丁寧な対応が必要があると思います。県内では、県議会最終日の今月20日に自民党から米原ルートへの再考を国に求める決議案が提出される見込みで、着工時期が見通せない中、今後こうした動きがどう影響していくのか注目されます」