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ペットの移動診療車「ワンにゃん号」動物たちを震災ストレスから救え!

2024年2月22日 16:49
ペットの移動診療車「ワンにゃん号」動物たちを震災ストレスから救え!

家族の一員でもあるペット。今回の地震で避難生活を余儀なくされている動物たちも少なからずいます。食欲が減る…下痢をする…など、ペットの健康状態を心配する声が多く寄せられていることをうけ、県の獣医師たちが「出張診療」を行っています。


かわいいイラストが描かれた車が、能登町にやってきました。
その名も「ワンにゃん号」。
動物専用の移動診療車です。

車内には診察台のほか、血液検査や麻酔などの診療機器が備えてあるほか、レントゲン撮影も可能です。
東日本大震災をきっかけに導入された車両で、動物病院と同じ診察が受けられます。

獣医師:
「岩手大学が所有している車です。被災した動物たちの診察がままならないことを知り、『お使いになりませんか』とお声かけいただいて…それでお願いしました。

この日訪れたのは6人の獣医師。
さっそくペットを連れた飼い主が集まってきました。

診察に訪れた人:
「心臓の病気で毎月輪島まで通っていたんですけど、きょうここに来るって聞いたんで…来たんです。地盤がひどいので、ほんのちょっとの隙間に足が挟まっていたそうにしている時があったんで…診てほしいなと。年とったらトイレが早くなって…餌食べると漏らしちゃうんです。正月前から調子悪かったんですけど、地震起きてからなおさらそこらじゅう…地震で怖くて、エサ食べてくれない。」

様々な悩みを抱える飼い主たち。
診察時間の30分前にはこれだけの行列ができていました。

「能登町に病院がないからみんな輪島か穴水まで行っていて…きょうは混むだろうと思って」
想定以上の列に、予定時間を繰り上げての診察が始まりました。

足が挟まったというヒメちゃん。
「地面の裂け目に刺さったのか鳴いていた…。(足をかばうことは)心配はいらないって言ってくれたので十分です。」
痛みを抑える薬も処方してもらいました。

「ネコちゃんどうぞ。ここで靴脱いで、スリッパはいてあがってください」

逃げ出す恐れがあるネコは「ワンにゃん号」の診察台へ。
下痢の症状が気になるというアヤコちゃん。8歳。人間でいうと中年くらいです。

注射で薬を注入することになりました。
「おりこうさんでした。なかなかこんな事態やから遠くまで行けないので助かります。」

震災後に前足の爪にけがをしたヨモくん。
約1か月の間そのままにしていたけがの様子を診てもらいます。
けがの治りはよかったけど、気になったのが…。

「これほど伸びているし…あとで切りましょう。爪は切ればいい。今見る限りは爪を切って短くしていればいいと思います。」

ヨモくんのように多くのペットに見られたのが「伸びた爪」。
普段なら散歩で爪が地面にあたり、自然に削られますが、避難生活で散歩の量が減ってしまったため、爪が伸びがちになっているんだそうです。

次は不安げな様子で診察をまつポッチちゃん。13歳のおばあちゃんです。
「散歩へ行くとよく倒れるんですよ。」
ワンにゃん号で準備されたのはエコー。おなかのあたりを慎重に確認。
すると…
「心臓が悪いです。どのぐらい悪いとかはここじゃ診断がつかない。さっきおっしゃってた散歩中にパタンと倒れてしまうっていうのは、心臓が悪い時の症状だから、できれば早いうちに病院で診断してもらうといい」

ポッチちゃんのように、病気の早期発見につながったワンちゃんもすくなくありませんでした。

「心臓の音に普通ドクンドクンて音にドザドザドザって音が混ざってる心雑音なんで…いまこんなので心臓の検査難しいですから、落ち着いたらいつもの病院で検査受けて、お薬を始めないといけないかも…。それまでの間できることは、ゆっくり痩せていかないと…」

この日診察を受けたのは、わずか3時間で約40頭。
「今までにかかりつけていた病気に関してとか、病気によって食事も違うものですから、食事の質問。車の中にずっといて、この子は健康なのかどうかとか…。情報を与えられることが1番よかった」