【能登半島地震】続く断水 できない歯磨き 医師が心配"危険"な「肺炎」
地震の影響で断水が続き、中には歯磨きができないという人も少なくありません。
口の中の衛生状態が悪くなることで発症する危険な「肺炎」について取材しました。
24日、七尾市の能登総合病院。
■能登総合病院歯科口腔外科・長谷剛志部長
「では失礼しますね」
この日診察に訪れていたのは、震災以降口の渇きが気になるという女性。
■女性
「口の中がなんかちょっと痛い」
■長谷剛志部長
「痛みありますかね」
被災地では、口の中の違和感を訴える人が増えています。
約7割の世帯で今だに断水が続いている七尾市。水が不足することで医師が心配するのは…
■長谷剛志部長
「節水によって口腔ケアをする。あるいは入れ歯を外して洗うということが非常に少なくなっておりまして。生活の中でそういったところがおろそかになりますと『誤えん性肺炎』のリスクが非常に高くなることが懸念されます」
口の中の衛生状態が悪くなることで雑菌が繁殖し、それを飲み込むことで発症のリスクが高まる誤えん性肺炎。
この病院では震災後3週間で24人の高齢者がこの肺炎と診断され例年より3倍ほど多くなっていて、最悪の場合命に関わる恐れもあるといいます。
この病気を予防する取り組みも行われています。
1月21日に輪島市の避難所で県の歯科医師会が行った巡回指導。
子どもの口の中に異常がないか確認していました。
■子どもの父親
「やはりみんな来ていただけたら気をつけると思いますので大変ありがたいです。より一層家族全員で気をつけて磨いていきたいなと思いました」
医師の長谷さんによると、避難所の生活では細かい口のケアのほかにストレスや食生活の偏りによる免疫力の低下にも気をつける必要があるということです。