石川県全体では上昇続く「地価」 “新幹線延伸”効果の一方地震の影響も… 専門家の見解は
1月1日時点の石川県内223地点の土地の平均価格は、1平方メートルあたり8万5000円と去年より3100円上昇しています。平均変動率はプラス1.0パーセントと4年連続の上昇です。
その要因について、調査を担当した不動産鑑定士は…
能登不動産鑑定所・西郷 悟 不動産鑑定士:
「コロナ禍終息後の観光客の増加とか北陸新幹線の敦賀延伸等の効果により、金沢市を中心に、引き続き上昇傾向になっております」
国内外の観光客の増加に伴って経済活動が活発になり、住宅地、商業地、工業地のいずれも価格が上昇しました。
商業地で最も価格が高くなったのは金沢駅前の本町2丁目。観光客が増えたことや旧都ホテル跡地の再開発への期待感などから、1平方メートルあたり112万円と3年連続で上昇しています。
また上昇率が最も高かったのは…
平田 真彦 記者:
「スクランブル交差点近くのこちら片町2丁目が商業地でトップの上昇率となりました」
金沢市中心部では、観光客のホテル利用が増えたことなどから金沢市片町2丁目は13.3%と高い伸び率を示しました。
北陸新幹線の敦賀延伸の影響は、南加賀を中心に広がっていて、新幹線駅ができた沿線市町の商業地は軒並み上昇。
特に加賀市は、全ての温泉地で変動率が大幅に上昇し、自治体別では石川県内1位の4.5%の上昇となりました。
能登不動産鑑定所・西郷 悟 不動産鑑定士:
「観光客の方が使う消費単価といいますか、そこの地元で落とす金額というのが増えている。消費単価も増えているということで、商業地として見るといい方向になっているのではないかなと考えています」
一方、地震で被害を受けた能登地区では下落幅が拡大しました。過疎化や少子高齢化によってこれまでも下落傾向が続いていましたが、去年の地震や豪雨を受け珠洲で14.6%となるなど7つの地点で変動率が大きく下落しています。
今後の見通しについて専門家は、これからも緩やかな減少傾向が続くとみていて、復旧・復興の状況を注視していきたいとしています。