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【亡くなった同級生の写真に手を合わせる人も…】全校生徒36人 閉校する小学校の日誌や写真などを展示 「戦時中」や「震災」当時の記録(宮城・気仙沼市の小泉小学校)

2024年3月8日 7:00
【亡くなった同級生の写真に手を合わせる人も…】全校生徒36人 閉校する小学校の日誌や写真などを展示 「戦時中」や「震災」当時の記録(宮城・気仙沼市の小泉小学校)

全校生徒36人の宮城・気仙沼市の小泉小学校は、今年度で閉校する。

日誌や写真など、戦時中や震災当時の地域と学校の歴史を記す展示会が、開かれている。

小泉小1年生
「起立、注目。これから5時間目の授業を始めます」

150年前に開校した気仙沼市の小泉小学校。

最盛期には全学年で400人ほど在籍していた生徒数も、今は36人。

地区の人口減少に伴い、隣の地区の津谷小学校に統合され、今年度末で閉校となる。

小泉小学校には、地域の歴史を記す多くの資料が保管されていて、閉校前に地元の人に見てもらおうと学校の隣にある公民館で展示会が開かれている。

訪れた人の中には、写真の前で手を合わせ涙を流す人の姿もあった。

小泉小学校の卒業生
「去年、同級生が亡くなって、写真があるかなと思ったんですけど、ありまして手を合わせました」
「私は写真とか昔の写真を大切にしていなかったので、写真をとってていただいたっていうのはありがたくて、今日も(亡くなった同級生に)会えましたし」

この展示会を企画した宮城学院女子大学の大平聡特任教授。

宮城学院女子大学・大平聡特任教授
「(これだけの資料が残っているのは)全県的にみるとかなり珍しいですね。全く残っていない地域もあれば、気仙沼は本当によく残っていて、おそらく日本で一番だと思います」

「東日本大震災」当日の日誌も残されていた。

卒業式の全体練習が予定されていたこの日。
備考欄に「午後2時46分大地震発生」と記されていた。

小泉小学校は、高台にあったため津波の被害を免れた。

会場では、ほかにも水害や津波など小泉地区を襲った過去の災害の記録を見ることができる。

宮城学院女子大学・大平聡特任教授
「この区画が、昭和35年に起こった大水害のコーナーです。町の中が、川が流れているようになってしまって、学校日誌には休校措置が取られたっていうのが書いてありますね」

戦時中から戦後にかけては、地域の行事が学校で行われていて、学校日誌は当時の暮らしを知ることができる貴重な資料だ。

宮城学院女子大学・大平聡特任教授
「私たちが歴史を知るということは、自分の住んでいるところを理解してより愛着をもって住み続けたいと、そのきっかけになればいい」

この展示会は、3月17日まで開かれ、その後資料は教育委員会によって保管される予定だ。