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<20年ぶりに新紙幣発行>新・1万円札「渋沢栄一」は七十七銀行と深いかかわり 新紙幣めぐる宮城県内の動き

2024年7月3日 18:54
<20年ぶりに新紙幣発行>新・1万円札「渋沢栄一」は七十七銀行と深いかかわり 新紙幣めぐる宮城県内の動き

20年ぶりに新紙幣が、発行された。
新紙幣をめぐる、3日の宮城県内を取材した。

3日午前8時過ぎ、日銀仙台支店では職員がパレットに積んだ新紙幣を運び出し、訪れた金融機関の担当者に引き渡す手続きが行われていた。
7月3日だけで、全国で1兆6000億円。
仙台支店管内の宮城・岩手・山形では、795億円が引き渡されたという。

仙台市にある七十七銀行本店ではー。

白壁アナウンサー
「窓口には、早速 新紙幣を手に入れようとする人たちが訪れています。現段階で40人以上が受け取りを待っている状況です」

新紙幣を両替した人、は早速 感触を確かめていた。

両替した人
「すごいですね。いままでの紙幣と違ってデザインもいいと思いました」

白壁アナウンサー
「私も、両替の手続きをして新紙幣に交換してもらいました」

銀行窓口職員
「こちらになりますので、ご確認ください」

白壁アナウンサー
「受け付けをしてから1時間。ようやく私の手元に新紙幣が届きました。それぞれ色味はこれまでのものと近いようには感じますが、デザインはがらっと変わっています」

1万円札は、福沢諭吉から近代日本経済の父・渋沢栄一。

5千円札は、樋口一葉から女性の地位向上に尽力した教育家・津田梅子に。

千円札は、夏目漱石から近代日本医学の父北里柴三郎へ。

いずれも大きさは同じだが、今回、偽造防止のため高精密な「すかし」や見る角度によって顔が動く「3Dホログラム技術」が世界で初めて採用された。

ユニバーサルデザインも採用され、これまで漢数字だった部分は数字となっている。

日本経済の父・渋沢栄一は、七十七銀行と深いかかわりがある。

七十七銀行の前身「第七十七国立銀行」は、1878年に創立。
開業前、発起人らが上京して開業の手ほどきを受けたのが、当時 第一国立銀行の頭取だった渋沢栄一だった。

渋沢も仙台を訪れ、直接開業を指導。
その後、渋沢は株主として銀行を支え、相談役にも就任している。

1963年に発行された千円札。
採用されたのは伊藤博文だったが、実は渋沢栄一は最終候補まで残っていたという。

所説あるそうだが、当時は偽造防止の観点から、偽造がしづらくなる「髭」を生やしていた伊藤博文に決定したと言われている。

今回、新たな1万円札の顔となった渋沢栄一は、満を持しての登場だ。

一方、これまでの紙幣も引き続き使うことはでき、日銀は「古いお札は使えない」という詐欺行為に注意するよう呼びかけている。

日本銀行・岡山和裕仙台支店長
「(従来の紙幣は)発行開始から20年が経過しています。その間にコピー機などの印刷技術は大幅な進歩を遂げていて、偽造が増えているわけではないが、中長期的に偽造抵抗力を確保していく必要がある。今回の改刷は、独自性と先進性を備えた最新の偽造防止技術を搭載するとともに、どなたにもよりわかりやすいものとなることを目指している」