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【次世代放射光施設「ナノテラス」】本格運用始まる 化学素材メーカーや食品会社など企業から期待の声 早速<磁石>や<デンプン>等解析 (東北大学・青葉山キャンパス)

2024年4月9日 19:00
【次世代放射光施設「ナノテラス」】本格運用始まる 化学素材メーカーや食品会社など企業から期待の声 早速<磁石>や<デンプン>等解析 (東北大学・青葉山キャンパス)

東北大学の青葉山キャンパスにある次世代放射光施設「ナノテラス」の本格運用が9日から始まり、利用した企業から今後の製品開発に向けた期待の声が聞かれた。

室井記者リポート
「きょうから本格運用が始まったナノテラス。こちらの企業は、放射光を利用してモーターの原料となる磁石の解析を行っている」

太陽の10億倍明るいとされる強力な光「放射光」を使って10億分の1メートル「ナノ」の単位で物質を分析できる「ナノテラス」。
9日は、施設の完成後初めて、企業が利用した。

このうち、広島の化学素材メーカーは、モーターに利用する磁石の素材を念入りに分析していた。
N極とS極の分布状況が、これまでより鮮明に確認できる。
今後は、EⅤ車用のモーターも見据え、世界で通用する磁石の開発を目指している。

戸田工業・松岡大取締役
「世界でナンバーワンの磁石素材を作っていくには、こういう解析が絶対必要」

一方、麺を製造・販売する宮城・登米市の老舗の食品会社。
ナノテラスで分析するのは、麺の食感を生むデンプンの構造だ。

お湯で戻しても食感の良い「フリーズドライそうめん」の商品化に活かすという。

マルニ食品・二階堂玲子社長
「ラーメンやうどんといったものが、最先端技術を通してより美味しいもの、より人々の生活を豊かに楽しくしていくためのものであると…」

9日には、この他 関西のタイヤメーカーや宮城県内の精密加工会社が、ナノテラスを利用した。

ナノテラスを管理運営する「光科学イノベーションセンター」高田昌樹理事長
「日本の科学技術を大きく変えて いく。新しい1ページが始まったと思っています」

ナノテラスでは既に150社余りの企業などが施設の利用を表明しているが、本格稼働により問い合わせが増えるなど企業の関心が高まっているという。

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