“長崎人らしさ” 演出「ながさきピース文化祭」総合演出の金沢知樹さんが語るイベントへの思い《長崎》
9月に開幕する「ながさきピース文化祭」。
開会式と閉会式の総合演出を務めるのは長与町出身の脚本家です。
県民総参加のイベントへの思いを聞きました。
(金沢 知樹さん)
「なんか暇な時に描く。うまくない?」
ノートに描いているのは、なぜか あの国民的マンガ。
(金沢 知樹さん)
「何の意味もない。こういうのをかきながらアイデアが浮かんだりする…。
ごめん、うそ!」
長与町出身の脚本家、金沢 知樹さん。
ながさきピース文化祭の開会式、閉会式で総合演出を担当します。
草彅剛さんらも出演、ふるさと長与町を舞台にした映画『SABAKAN(サバカン)』の監督をはじめ、
世界中で大ヒットした Netflix配信のドラマ『サンクチュアリ』の脚本などで知られるヒットメーカーです。
おととし8月には地元長与町で、舞台『幽霊でもよかけん、会いたかとよ』を上演しています。
出演者を選ぶ基準を尋ねると…。
(金沢 知樹さん)
「1つだけかな。映画SABAKANを撮った時もそうだし、ほかのオーディションもそうだけど、一緒にいておもしろそうだなという人、一緒にいて楽しい人がいい。
そういう基準で選ぶかな、オーディションは。演技とかは、まったく見ない」
この日行ったのは、ピース文化祭で上演する県民参加型の舞台のオーディション。
金沢さんが脚本・演出を務めます。
(金沢 知樹さん)
「出演者を探しに来たのではなく、僕は作品という名の船のクルーを探しに来た」
116人が応募。
張り詰めた空気の中、“演技のない” オーディションが始まります。
(金沢 知樹さん)
「何故、このオーディションに来たか。自己紹介とともに、そういうのを聞けたら」
(応募者)
「演劇するのが大好きで、お芝居にすごく興味がある。本当に舞台大好きなんで」
(応募者)
「ミュージカルはすごい詳しい。誰にも負けないぐらい」
(応募者)
「どんな役でもいい。そういう場に立ったことがないので」
(金沢 知樹さん)
「お芝居ができるできないは関係ない。“金沢” がどうにかしますから」
(スタッフ)
「(自分の事を)AMARIあまり自分で “金沢” って言わない)
(金沢 知樹さん)
「矢沢(永吉さん)、以来です」
(応募者)
「とりあえず限られた人生を、精一杯 楽しみたい」
(金沢 知樹さん)
「素晴らしい。役者さん発掘じゃなくて、今回のプロジェクトは。
“こういうものもあるんだ!楽しいな” って思えてもらったらいい。僕の考えとして…」
オーディションで出された課題は、たった1つです。
(金沢 知樹さん)
「自分の思いを込めて『長崎』って言ってほしい。一人ひとり」
叫んでみたり、驚いたように口にしたり…。
応募した人たちは、それぞれのスタイルで表現します。
(金沢 知樹さん)
「本当に恥ずかしさを取っ払うのも大事。それができるかどうか。言い方がどうではなく、すごく良かった」
最後は、笑顔に包まれて終了した約30分のオーディション。
結果は後日、伝えられます。
(金沢 知樹さん)
「みんな印象的というか、無個性の人は1人もいない。あとはこっちがこの役に “あてはめてあげる”。
個性がない人、普通の人…なんて1人もいないと思っている。全員、個性的だなと思った」
今年9月に開幕する、国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭、
通称「ながさきピース文化祭2025」。
音楽や演劇など文化、芸術に関わる人たちが全国から集まり、その成果を披露する祭典で、県内各地で185の事業が行われる予定です。
(桒畑笑莉奈アナウンサー)
「今年の秋に迫っていますが、就任した時は緊張しているという話もありましたが、今、気持ちに何か変化はありますか」
(金沢 知樹さん)
「気持ちの変化は特にないけど、失敗でも成功でもどっちでもよくて、自分らしく。まず、自分が楽しむのが絶対条件になる。
ふざけているんじゃないけれど、おもしろく…。
だから(県に)怒られる匂いもちょっとしてて。でもしょうがないかな。どうせ1回だから、もう怒られてもいいやと思って」
(桒畑笑莉奈アナウンサー)
「やったもん勝ちですね。どういうものが楽しめるとか、言える範囲で教えていただけますか」
(金沢 知樹さん)
「文化なので、いろんな歴史もちょっと触るんですよ。長崎には出島を通じてこういうものが入ってきたりとか。
長崎に関わった歴史上の人物とかも出てくるんですけど、その辺でちょっと遊んだりとかしている」
長崎の魅力を全国に発信する、国内最大級の文化の祭典。
ヒットメーカーが生み出すのは…。
(金沢 知樹さん)
「よく聞かれる質問で『長崎の1番いいところってどこですか?』って言われて、食べ物とか歴史とか、景観、景色などいろいろあるですけど、僕が答えるのがやっぱり 『人』であって。
『人』人が長崎の1番の魅力だと思うので。
この人間らしさ、“長崎の人ってなんかいいね” っていう感じを、『長崎人らしさ』を打ち出せたらいい。
あとはやっぱり自分らしさ。せっかく自分がやるんだったら自分らしさを出したい。
“らしさ” で埋め尽くしたい。これ、いいの出ましたね」
《 “…らしさ” で、埋め尽くしたい》
「ながさきピース文化祭」の開会式は、9月14日にアルカスSASEBOで。
閉会式は11月30日にベネックス長崎ブリックホールで開かれます。
金沢さんが脚本・演出を務める舞台は7月から稽古が始まり、10月25日26日に長崎市のチトセピアホールで上演される予定です。
【NIB news every. 2025年2月11日放送より】