100歳を超えても介護サービスは受けず 健康長寿で表彰の101歳 秘訣は畑仕事《長崎》
「健康で長寿」として、表彰を受けた平戸市の田村 スミヱさん101歳。
これまで介護サービスを受けたことはないそうです。
元気の秘けつを伺いました。
▼天気が良ければ、毎日のように畑に出る
(田村 スミヱさん(101))
「私の草取りはこれ。これ1つ持っていけばいい」
毎朝9時。
天気がいいと決まって畑に向かいます。
(田村 スミヱさん(101))
「きのうはこの辺を取った。きょうはこっちから取ろうと思って」
日課となった草取り作業。
小さな草をひとつひとつ、丁寧に取り除きます。
平戸市田平町で暮らす田村 スミヱさんは、大正11年生まれ。
去年11月25日、101回目の誕生日を迎えました。
(田村 スミヱさん(101))
「畑にくれば手まぜをする。手まぜをすれば腹も減る。だからいい」
▼未だ介護サービスを受けない101歳 表彰に万歳三唱の気分
少子高齢化が進む平戸市。
高齢化率はおよそ42パーセントです。
100歳を超えても田村さんは、介護サービスは受けていません。
去年11月「健康で長寿を謳歌している」として、市から表彰を受けました。
(田村 スミヱさん(101))
「こんなに達者に長生きするとは 思っていなった。万歳三唱していいくらい、うれしかった」
長寿の秘訣は「毎日の畑仕事」。
(田村 スミヱさん(101))
「これが水菜、生で食べられる。これがホウレンソウ、これがニンジン」
畑には手塩にかけたたくさんの野菜が育っています。
(田村 スミヱさん(101))
「これはよく洗って、ソーセージ などを混ぜて、それにマヨネーズもドレッシングもいい。それを混ぜて食べるとおいしい」
▼土に草、猫と触れ合う 自然に囲まれる日々
田村さんのそばにはいつも猫の姿が・・・。
動物も大好きです。
(田村 スミヱさん(101))
「私の行くところを追いかけて。 私がかわいがるから。名前は「キジ」って言ったり「トラ」って言ったりしている」
▼夫は67歳で他界 優しくて人から好かれる人だった
生まれは 佐賀県。
4歳の時に養女として田村家に来ました。
「ひどく悪い子ではなかったけれど、親の言うことはよく聞くし 」
「これが私の婿さん。これは(結婚式の)加勢に行っている時に、私を写していたら夫も入ってきて写った」
25歳で結婚し、3人の子どもに恵まれました。
(田村 スミヱさん(101))
「父ちゃんは67歳になったばかりで死んだ。ちょうど3月にお彼岸に亡くなった。人間が良かった。優しい、人から好かれる人だった」
▼生きていく心の支えは子どもや孫たち
夫を亡くして40年あまり。
子どもや孫たちが心の支えになってくれたそうです。
現在は、長男の清人さん・裕子さん夫婦と3人で暮らしています。
(長男 清人さん)
「よく長生きしていると思っている。自分の好きなことをすればいいと思っている」
▼好き嫌いなく、黙々と食べる
食事の時間は・・・
(田村 スミヱさん(101))
「ご飯食べる時は黙って食えと言われていた。昔、私の父はそう言っていた」
好き嫌いはありません。硬いもの以外は何でも食べます。
この日も・・・
「ごちそうさまでした」
きれいに完食しました。
家のまわりの田畑は、親から引き継いだ土地。
粗末にしたくないと丁寧に手入れをしてきました。
(田村 スミヱさん(101))
「この辺は人も良く、人間もいい人ばかりで悪い人はいない、優しい人ばかりでいい。住みやすい 」
▼周囲の人との何気ないコミュニケーションも楽しみ
100歳を過ぎた今。人生をこう振り返ります。
(田村 スミヱさん(101))
「私は幸せです。だから長生きもしている。何事も心配させられないことが、私の生きがい。子どもがいいから。わが子を褒めるようだけど」
(親せきたち)
「ばあちゃん、コーヒーいらん?」
人との会話やにぎやかな雰囲気が大好き。
年を重ねるとともに友人たちは亡くなったり、遠方に引っ越したりして、減ってしまいましたが・・・。
(親せきたち)
「楽しく1日過ごせればいいね」
「本当にいないもんね昔の人は」
「俺らでも寄って話しかけて、世間の話をしないとね」
親せきや知人が訪ねて来てれます。
(田村 スミヱさん(101))
「人が来るのは大好き。人が来ないと寂しくて。あー、きょうは誰も来なかったなと。人が来ればうれしい。来てくれてと喜ぶ 」
▼市民が目指すべき高齢者像
この日、田村さんのもとに市の職員がやってきました。広報誌の取材です。
(平戸市の職員)
「よろしければ、お顔の写真を何枚か撮らせてもらっていいですか?」
「広報平戸に、こうやって話されている様子を載せます。先ほど畑仕事をされている様子も掲載します」
(田村 スミヱさん(101))
「よく写っている」
「市民が目指すべき高齢者像」として紹介されました。
田村 スミヱさん101歳。
冬が終わり、暖かい春が来るのを心待ちにしています。
(田村 スミヱさん(101))
「3月頃になればまたいろいろ、ナスビやキュウリやトマトや、スイカやカボチャを植えないと。 それが楽しみ」
102年目の新しい1年が始まりました。