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【衆議院選挙・長崎1区】“変革期の県都” 5人が乱戦 無党派層の取り込みがカギか?《長崎》

2024年10月23日 6:45
【衆議院選挙・長崎1区】“変革期の県都” 5人が乱戦 無党派層の取り込みがカギか?《長崎》

27日に投開票を迎える衆議院選挙。

長崎県は今回から選挙区の数が「4」から「3」に。

長崎1区は、これまで旧2区だった旧外海町と旧琴海町が加わり長崎市全域が選挙区となりました。

立候補しているのは、届出順にこちらの5人です。

▼日本維新の会・新人の山田 博司候補(54)

▼共産党・新人の内田 隆英候補(68)

▼参政党・新人の黒石 隆太候補(33)

▼自民党・新人の下条 博文候補(49)

▼国民民主党・前職の西岡 秀子候補(60)

100年に一度の変革期を迎えた県都での決戦。
支持基盤の引き締めや、無党派層の取り込みに力を注ぐ各候補の戦いを取材しました。

■山田 博司候補(維新・新)

衆議院を解散した翌日の今月10日。

長崎市の商業施設前でマイクを握ったのは、日本維新の会の馬場 伸幸代表です。

大阪を主戦場とする維新ですが、長崎ではすべての選挙区に候補者を擁立しました。

(日本維新の会 馬場 伸幸代表)
「古い政治を打ち破り、新しい政治にチャレンジして、長崎で暮らしてよかったといわれるような政治をやっていきたい」

ともに街頭に立ったのは、新人の山田 博司候補 54歳。

県議会議員を5期務めた後、前回 3年前の衆議院選挙で旧長崎3区から出馬しましたが、当選はかなわず。

今回、2度目の国政挑戦です。

(山田 博司候補)
「政権与党は、党利党略を優先する。こういった政治を変えないといけない」

維新はここ3回の国政選挙で 県内での比例票を伸ばしていて、おととしの参議院選挙では得票率が10%を超えました。

公示後は1日20か所の街頭演説をノルマに、支持拡大を図っています。自民党の裏金問題が争点となっている 今回の選挙。

企業団体献金の禁止などを訴えます。

(山田 博司候補)
「企業団体の献金、企業団体によるパーティー券の購入、そういったことで政治が左右されるのか」

■内田 隆英候補(共産・新)

共産党・新人の内田 隆英候補 68歳。

旧伊王島町議を5期、その後は去年4月まで長崎市議を4期務めました。

(内田 隆英候補)
「今 国民が望んでいるのは、裏金問題や統一教会との癒着の問題。真相解明を行い、実効力のある対策を取ることではないか」

選挙戦では、自民党の裏金問題を中心に与党の姿勢を批判。

暮らしの支援や社会保障制度の拡充を訴えます。

(内田 隆英候補)
「軍備拡大ではなく、国民の暮らし。福祉に回せば高齢者医療費は無償にできる。(経済を)活性化させるために効率が上がるのは、消費税を5%に引き下げること」

5人の候補の中で最高齢の内田候補ですが、市内をくまなく回り、比例票の上積みも狙います。

(内田 隆英候補)
「裏金問題を暴き出したのは 共産党なんだと。みんな「なるほどな」と、足を止めて最後まで(話を)聞いてくれる。
自民党の政治が嫌だという人にとっては、各候補の政策と見比べて、自分の思いにぴったりの政策はどの党かを見比べて、投票行動を起こしてほしい」

■黒石 隆太候補(参政・新)

(黒石 隆太候補)
「裏金問題を解決したところで、私たちの生活は1ミリも変わらない。政治家の使命は何か。国民の命と安全を守ること」

参政党・新人の黒石 隆太候補。

長崎市消防局の職員を経て、今回 国政に初めて挑戦しました。

減税と積極財政による経済の活性化を訴え、食糧自給率の倍増などを公約に掲げています。

(黒石 隆太候補)
「国民が集まって、国民が政党を作って、国民の声を政治に届けるという新たな形を持った政党が必要。それが私たち参政党だ」

5人の候補の中で最も若い33歳。

繁華街を中心に街頭で訴えるほか、SNSも活用します。

(黒石 隆太候補)
「自分の考え、政策を訴えていくという当たり前のスタンス、候補者としての役割をまっとうしていきたい」

解散前、衆議院に1議席を確保していた参政党。

小選挙区だけでなく、比例選でも支持の拡大を狙います。

■下条 博文候補(自民・新)

(下条 博文候補)
「おはようございます」

一方、裏金問題などで逆風に立つ与党・自民党。

公募の末 白羽の矢が立ったのは、県議を2期務めた新人の下条 博文候補 49歳です。

今月10日の総決起集会には、県選出の国会議員や県議会議員を含め 約720人が集結。

(山本 啓介 参院議員)
「政策や事業や予算を決める政権与党・自民党の会議で 皆さんの立場になり、皆さんの気持ちを代弁して、しっかりと決定の場で決定者に伝える。この役割が、自民党の現職はいない」

2期連続で7年にわたり、野党に明け渡した県都での議席。

その奪還に向けて、ボルテージを上げました。

(下条 博文候補)
「私のキャッチフレーズは『チェンジ長崎』。皆様と一緒に、長崎をもっと、もっと、よくしよう」

選挙戦ではクリーンな政治姿勢を強調し、1次産業の支援やドローンやデジタルといった新産業を活用する 経済政策を重要政策に掲げます。

(下条 博文候補)
「国政に自民党に新しい風、新風を巻き起こし、政治改革の先頭に立つ」

今回から新たに長崎1区に加わった「旧琴海町や外海町」にも足を運び、地域の課題と解決を訴えます。

(下条 博文候補)
「西彼杵道路、高規格道路ができている。こういった道路の予算が 少しずつ目減りする可能性がある。これを私は一番懸念している」

予算確保に強みを発揮する与党議員の重要性をアピールし票の掘り起こしを図っています。

■西岡 秀子候補(国民・前)

(西岡 秀子候補)
「昨年からの国会議論の中心は統一教会の問題や「政治とカネ」の問題だった。そういう政治をこれからも続けていくのか。」

4人の新人を迎え撃つ、国民民主党・前職の西岡 秀子候補 60歳。

元長崎県知事の祖父・竹次郎氏、参議院議長も務めた父・武夫氏の時代からの地盤も受け継ぎ、これまで2期、議席を守ってきました。

選挙戦では、党幹部も長崎入り。

(国民民主党 榛葉賀津也幹事長)
「このまちには、西岡秀子がいる。素晴らしい政治家。根性は玉木(代表)より上」

支持固めを図ろうと、連日 個人演説会を開催。

100年に一度と呼ばれる変革を遂げる中心部に対し、人口減少などにあえぐ周辺部での課題にも取り組む考えを強調しました。

(西岡 秀子候補)
「南部地区もそうだが、道路が大変狭い地域が多い。安心、安全に皆様が住み慣れた地域で、皆様が安心して暮らしていける地域づくりを 進めていかなければならない」

さらに、“西岡党” と呼ばれる従来の支持基盤や、支援を受ける労働組合に加え、新たな票の獲得を目指し、若者との対話集会も開いています。

(西岡 秀子候補)
「私自身は1人でも多くの人に会って、政策や思いを伝えているので、そこで自民党がどうとかはあまり感じない。1人でも多くの人に会って、政策を伝えることに尽きる。それを地道に全力で取り組む」

県内3つの選挙区で、最多の5人の戦いとなった長崎1区。

終盤戦に向けて戦いは激しさを増しています。

日本テレビでは JX通信社の協力のもと、政治とカネの問題や少子化対策、経済政策などのテーマについて、長崎の3選挙区も含む全国の候補者に、アンケートを実施していて「zero選挙」のサイトから確認することができます。

また、質問に答えてあなたの考えがどの候補者、政党と近いかなどがチェックできる「考え方診断」も実施していますので、ぜひ 参考にしてください。