×

【衆議院選挙・長崎3区】県北に五島列島や東彼杵が加わる 補選の勢い残る熾烈な争い《長崎》

2024年10月25日 6:45
【衆議院選挙・長崎3区】県北に五島列島や東彼杵が加わる 補選の勢い残る熾烈な争い《長崎》

27日に投開票日を迎える衆議院選挙。

県内3つの選挙区の構図や、各候補者の戦いを伝えるシリーズ「長崎3区」です。

区割りの改定に伴い、佐世保市など県北を中心とした旧4区に、旧3区の五島市、新上五島町、そして東彼杵郡の3つの町が加わりました。

3区に立候補しているのは、届け出順にこの3人。

▼日本維新の会・新人の井上 翔一朗候補(41)

▼自民党・前職の金子 容三候補(41)

▼立憲民主党・元職の末次 精一候補(61)

離島振興や防衛政策、さまざまな課題を抱える選挙区は三つどもえの構図となっています。

■井上 翔一朗候補(維新・新)

演説のための「お立ち台」を自ら用意するのは日本維新の会の新人、井上 翔一朗候補。

(井上 翔一朗候補)
「わずか半年で、再び国政にチャレンジする機会をいただいた。政治とカネの問題、これが今回の選挙も引き続き 大きなテーマだと思う」

半年前の衆院長崎3区補欠選挙では…

(井上 翔一朗候補)
「政治改革の道は絶たれたわけではないので、次の来たる大きな選挙に関しても、しっかりと頑張っていきたい」

自民党派閥の裏金問題を受けて行われた 旧3区の補欠選挙に出馬しましたが、野党候補同士の一騎打ちに敗れ、涙をのみました。

次こそはとリベンジに燃える中、今回の選挙の公示5日前。

日本維新の会の馬場 伸幸代表が、激励に駆けつけました。

(日本維新の会 馬場 伸幸代表)
「我々の維新スピリッツをぜひこの長崎にも広げていきたいということで今度は3区でチャレンジするという熱い思いを持ってくれている」

(井上 翔一朗候補)
「長崎から日本の政治をただしたいという気持ちで日々活動を続けてきた。候補者自身が先頭に立って多くの人に見ていただいて判断していただく」

平戸市で学習塾を経営し、教育改革への思い入れが強い井上候補。

公約には、企業団体献金と政策活動費の廃止や、所得制限のない教育無償化などを掲げています。

選挙カーで街中を巡り、商業施設の前などで演説。

(井上 翔一朗候補)
「日本維新の会という選択肢をお示ししたい、その思いで立候補をしております。日本維新の会は、改革を実行する政党だ」

明治維新を推し進めた西郷 隆盛に自身を重ね、支持を呼びかけます。

(井上 翔一朗候補)
「西郷隆盛が成し遂げたのが明治の維新だが、私が成し遂げるのは令和の維新だ。皆様の声を聞きながらこのままではだめだ、新しくしなくてはだめだと。そういう思いうねりを、長崎から発信して変えていきたい」

■金子 容三候補(自民・前)

一方 自民党の前職、金子 容三候補。

第一声の場所に選んだのは、区割りの改定で新たに選挙区に加わった東彼杵町です。

(金子 容三候補)
「政治に対する信頼をまず取り戻していく。そのための政治改革を、これからもしっかりと行っていく。断行していくことを、皆様方にまずお約束を申し上げる」

2023年10月23日に当時の現職の衆議院議員の逝去に伴い、去年10月に行われた旧4区の補欠選挙。

18年間勤めた証券会社を退職して挑み、初当選を果たしました。

しかしその後、自民党派閥の裏金問題が発覚。

突如「逆風」の矢面に立たされました。

今回 選挙区内の全ての市と町で出陣式を行った金子候補。

し烈な票の争いが見込まれる佐世保市では、自身と同じ旧岸田派に所属していた国会議員や、宮島市長が激励に駆けつけました。

(宮島 佐世保市長)
「この1年間、金子容三代議士。本当に一生懸命、地域のために、国のために頑張ってもらった」

連立政権を担う公明党からも推薦を受け、連携体制をとっています。

また 新たな主戦場となった五島市にも入り、支持拡大に奔走。

(金子 容三候補)
「解決しなくてはいけない課題は、2年半後に期限到来が迫っている “有人国境離島法” の改正、拡充、延長」

地域の声をくみ取ることや、漁業振興や畜産農家への支援を訴え、国とのパイプ役としての意欲を示します。

(金子 容三候補)
「多くの課題がまだまだ山積している。この選挙でしっかりと勝ち抜いて、もっともっと国に、皆様の声を届けていかなくてはいけない」

■末次 精一候補(立憲・元)

国政への返り咲きを目指す立憲民主党の元職、末次 精一候補。

大票田の佐世保市で、推薦を受ける「連合長崎」の幹部や、連携する野党系の県議、市議と第一声を上げました。

(末次 精一候補)
「一部の人たちのよどんだ政治か、それとも皆様の声が届く開かれた政治にするのか、それを選択する選挙でもある」

(深堀幹事長)
「(末次候補は)ふるさと長崎県を熟知した政治家だ。
(生活は)4年前よりも明らかに苦しくなっている。そういう中で政治とカネの問題全く決着がついていない」

製鉄会社での勤務や政治家秘書を経て、3年前の総選挙で旧4区で自民候補に敗れたものの、比例で復活当選を果たしました。

去年行われた旧4区の補欠選挙には、自ら議員バッジを外して挑戦。

佐世保市の票数では相手候補を上回りましたが、議席を失いました。

(末次 精一候補)
「結果を出せなかったことについて、本当に申し訳ない」

今回で8回目の国政への挑戦となる末次候補。最後の戦いと位置付けています。

(末次 精一候補)
「この20年間、地元で活動を続けた。その最終決戦でもある。今回が私にとって正念場でもある」

離島地域もくまなく回り、18日には、今回から選挙区となった五島市に。

(末次 精一候補)
「今こそ皆様が立ち上がる時ではないか。この利権政治にずっと立ち向かって来た。今までは非力だったが、今回やっと正面を向いて相手と戦う機会を得た」

農漁業に従事する人への個別所得補償や、中小企業の振興などを公約に掲げ「長崎から政治を変える」と訴えました。

(末次 精一候補)
「とにかく自分の全てを、有権者に伝えていきたい」

いずれも1年以内に補欠選挙を経験し、勢いそのままに超短期決戦に挑んでいる3人の候補者。

有権者の票の行方は…

選挙戦は最終盤、し烈な戦いが続いています。

日本テレビでは JX通信社の協力のもと、政治とカネの問題や少子化対策、経済政策などのテーマについて、長崎の3選挙区も含む全国の候補者に、アンケートを実施していて「zero選挙」のサイトから確認することができます。

また、質問に答えてあなたの考えがどの候補者、政党と近いかなどがチェックできる「考え方診断」も実施していますので、ぜひ 参考にしてください。