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【衆議院選挙・長崎2区】裏金の余波は? 最激戦区 “自民vs立憲” 前職の激突に新人2人も《長崎》

2024年10月24日 6:45
【衆議院選挙・長崎2区】裏金の余波は? 最激戦区 “自民vs立憲” 前職の激突に新人2人も《長崎》

投開票まであと3日となった衆議院選挙。長崎2区についてお伝えします。

今回から区割りが変更され「旧2区」の諫早市と島原半島3市に「旧3区」の大村市、対馬市、壱岐市が加わりました。

2区には、4人が立候補しています。

▼旧2区選出の自民党・前職 加藤 竜祥候補 (44)

▼旧3区選出の立憲民主党・前職 山田 勝彦候補(45)

▼参政党・新人 髙木 聡子候補(43)

▼日本維新の会・新人 横田 朋大候補(37)

前職2人と新人2人が、激しい選挙戦を繰り広げています。

■加藤 竜祥候補(自民・前)

自民党の前職、加藤 竜祥候補。

演説を始める前には毎回、深々と頭を下げます。

(加藤竜祥候補)
「2期目の戦いとはいえ、新人の気持ちで戦い抜く決意」

2度目の選挙は「背水の陣」で臨むこととなりました。

衆議院議員を3期務めた父・寛治さんの地盤を引き継ぎ、旧2区から初めて出馬した前回。

与野党一騎打ちを制し、初当選を果たしました。

去年9月の内閣改造の際には、1期生ながら国土交通、内閣府、復興の大臣政務官に就任しましたが…。

旧安倍派に所属していた加藤候補は、派閥の政治資金パーティーをめぐって10万円のキックバックを受けていたものの政治資金収支報告書に記載していなかったことが判明。

今年1月に政務官を辞任しました。

(加藤竜祥候補)
「厳しい意見もあるが、それに対して逃げることなく、すべてを受け入れることが理解をしてもらう第一歩。説明もこれからも求められればしていく」

石破総理は “裏金議員” の今回の選挙での比例重複を認めず「後のない戦い」となります。

今回の戦いでカギを握るとみているのが、相手候補の地元である大村市。

自民党の県議、市議らと辻立ちを行うなど、地道に活動を続けてきました。

加えて、園田大村市長や自民党以外の県議らも支援。

( 園田大村市長)
「本当に今回の戦いは厳しいというふうに私は考えておりますし、言われています。私もだからこそ、大村市長として、園田裕史として、覚悟を持って真剣にこの選挙に挑みたい」

地元 島原半島の基幹産業である「一次産業の活性化」や「島原道路などのインフラ整備」を進めると訴えます。

(加藤竜祥候補)
「食料安全保障が叫ばれている中で、半島や離島をどうしていくかは極めて大事なこと。接戦ということで気を抜かず、最後の最後まで全力を尽くす」

■山田 勝彦候補(立憲・前)

一方、立憲民主党の前職、山田 勝彦候補は加藤候補が地盤としてきた諫早市から活動をスタートさせました。

(山田 勝彦候補)
「新しい選挙区、諫早初めての戦い。どうかこの選挙、一緒に戦ってください、そして山田勝彦を再び、国会へ送りなおしていただけないでしょうか」

加藤候補と同じく、2021年の総選挙に初めて出馬。

旧3区で自民党の谷川 弥一氏と接戦を繰り広げたものの僅差で敗れ、比例で復活当選を果たします。

その後、谷川氏が “裏金事件” によって議員辞職。

それを受けて行われた今年4月の旧3区の補欠選挙では、自民党が候補を擁立しなかった中、維新の新人を破り 小選挙区で初めての勝利をつかみました。

(山田 勝彦候補 ※4月の補選後のコメント)
「この裏金問題のけじめは、国会に戻って真の政治改革を進めることで、けじめをつけられる」

それからわずか半年で迎えた総選挙。

立憲民主党は長崎2区を「重点選挙区」の1つとしていて幹部も続々、応援に駆けつけています。

( 立憲民主党 小川淳也幹事長)
「(裏金は)額の多寡の問題ではない、政治家としての資質の問題。それで国の責任ある役職を辞任した人を、もう一度送り込むのか。勝彦さんに託していただけるのか」

( 立憲民主党 辻元清美代表代行)
「地域の代表に裏金議員はいらない。クリーンな政治に皆さんの1票で、大掃除してください」

(大串博志 選対委員長)
「相手の背中は見えている、つかみつつある、しかしまだ追い抜いていない。どうか皆さん、山田勝彦に力を与えてやってください」

農林漁業者への所得補償制度の復活といった一次産業への支援策や、ガソリン税の引き下げなどの 物価高対策を訴える山田候補。

自民支持層の切り崩しも狙います。

(山田 勝彦候補)
「この長崎2区で私自身が勝ち切るということが、政権交代に向けて大きなうねりになると思っている」

■髙木 聡子候補(参政・新)

前職に挑む新人の1人が、参政党の髙木 聡子候補。

『国民の幸せのための政治』を行うと訴えます。

(髙木 聡子候補)
「苦しいという声を、きついという声を、政治に届けて きちんと私たち目線で考えてくれる政治を、私たちは目指したい」

19年間、小学校教諭として県内の学校に勤務。

退職後の去年3月には、不登校で苦しむ子どもたちが安心して過ごせる居場所をつくろうと、大村市でフリースクールを開設しました。

(髙木 聡子候補)
「教育の分野を通して、私は国に政治に疑問を持った。食の問題、医療の問題、経済の問題、教育の問題、本当に多くの問題がありすぎる。どのことも、国や制度によって人々が苦しむところがたくさんある、そのことに気づいた」

去年7月の出馬表明後、1年以上、街頭での活動などを続け、知名度アップを図ってきました。

フリースクールなどの多様な教育環境の整備のほか、一次産業の予算を3倍に増やし食料自給率を上げることなどを訴えます。

(髙木 聡子候補)
「どの分野においても、やっぱり政治が国民を左右する。国民の幸せのために政治をしなければならない。今まで投票に行かなかった人にも、たくさん声をかけて、子どもたちの未来のために投票して、政治をよくするような投票をお願いするということでしっかり伝えていきたい」

■横田 朋大候補(維新・新)

日本維新の会からは横田 朋大候補が立候補しました。

第一声を行ったのは、祖父の出身地である諫早市小長井町です。

(横田 朋大候補)
「今回の選挙の最大の争点、それは政治姿勢そのもの。有限実行、約束を守る、そういう政治を再び、この日本に取り戻したい」

日本維新の会の党職員として、2年あまり国会で働いていた横田候補。

政治資金規正法の改正を議論していた 衆議院本会議での議員たちの様子を目の当たりにし、政治を変える必要があると決意したといいます。

(横田 朋大候補)
「今回問題を起こした自民党の国会議員たちのその姿を見ていたが、口汚く罵る、やじを飛ばす。そして一部の人はスマホをいじって本を読んでいる。そういう姿を見て、私は全然反省していないなと。これだから日本の政治は変わらない」

企業・団体献金や政策活動費の廃止といった政治改革のほか、所得制限のない教育の無償化など、子育て・現役世代向けの政策も重点的に訴えています。

(横田 朋大候補)
「私は2世議員でも3世議員でもない。そういう意味では、有権者の一人一人の声を分け隔てなく聞くことができるところが、自民党や立憲民主党の候補者との大きな違い。まずは日本維新の会の考え方を、選挙期間中にできるだけ多くの方に理解をしてもらうことが必要」

区割り変更によって、前例のない選挙戦に挑んでいる長崎2区の候補者たち。

裏金問題の余波もある中、有権者はどのような選択を下すのか。

運命の投開票日まであと4日です。

日本テレビでは JX通信社の協力のもと、政治とカネの問題や少子化対策、経済政策などのテーマについて、長崎の3選挙区も含む全国の候補者に、アンケートを実施していて「zero選挙」のサイトから確認することができます。

また、質問に答えてあなたの考えがどの候補者、政党と近いかなどがチェックできる「考え方診断」も実施していますので、ぜひ 参考にしてください。