起源も意味も不明!五島伝統の奇祭「ヘトマト」諫早では「畳破り」畳をちぎりわらをこすり合う《長崎》
古くから伝わる新春恒例の奇祭が、この週末に各地で行われ、子孫繁栄や無病息災などを祈りました。
五島市では、国指定の重要無形民俗文化財「へトマト」が行われました。
大きな酒樽に乗っているのは “新婚” の女性たち。 羽根つきをして子孫繁栄を祈願します。
(道脇 桃花さん)
「楽しかった。幸せな家庭を築いていきたい」
奇祭「ヘトマト」は、五島市下崎山町に伝わる国指定の重要無形民俗文化財です。
いつから始まったのか?次々と行われる行事の意味など、詳しいことはわかっていません。
続いて登場したのは、締め込み姿の男性たち。
「ヘグラ」と呼ばれる縁起物のすすを、襲い掛かるように見物客に塗りつけていきます。
泣いて逃げる子どもにも、地域の人にも、見物客にも、誰彼かまわず顔にすすをつけられます。
その後、青年たちが縄で巻き取柄のついたわら玉を激しく奪い合う「玉せせり」。
さらには綱引きも…。
そして、祭りのクライマックスでは、長さ3メートル、重さ250キロあまりの大草履が運ばれてきて…。
若い女性を上に乗せ、大きなかけ声とともに高らかに担ぎ上げました。
(大草履に乗せられた女性)
「楽しかった。へトマト続けて… ほしいと思う」
大草履は神社に安置されて1年間、地区の安泰を見守り続けます。
南北朝時代の武将楠木正成・正行 親子を祭る諫早市の楠公神社。
ここで行われたのが、250年以上前から続く奇祭「畳破り」です。
畳破りは、数十人の氏子が畳を盾に社殿に立てこもる楠木勢と、参道から攻め寄せる鎌倉幕府軍に分かれて戦いを再現しています。
幕府軍は社殿に入り込むと畳を引きちぎり、わらで互いの体をこすり合わせます。
そして奥壁の的に矢を放ち、1年の吉凶を占う「まといの儀」。
放たれた矢は縁起物とされていて、参加者が激しく奪い合いました。
(参加者)
「やっと年が明けたという感じ。いい年になればいい」
(参加者)
「真ん中には当たらなかったけれど楽しかった」
(諫早市白浜町 牟田幸雄 自治会長)
「町内の皆さんが、健康長寿を育んでいけるような年にしていきたい」
最後に餅まきが行われ、無病息災、豊作を願いました。