踊町も見物客も熱気を帯びたフィナーレ「長崎くんち」 “龍踊”奉納 五嶋町の7か月に密着《長崎》
激しい動きと息をのむような静寂で、辰年の諏訪の杜を魅了した五嶋町の『龍踊』。
龍衆、囃子方、総勢110人を超える大所帯で臨んだ 10年ぶりの大舞台。
厳しい稽古に励んできた7か月間です。
(龍衆)
「今までの皆さんの人生の中で、65年間、19年間と、それぞれだと思いますけど、一番濃い5か月にしていきましょう。今から最高の龍踊作り上げるぞ!五島町、おーっ!」
トレーニングが始まったのは、今年3月。
腕立て伏せに、ランニング。当初は苦難の連続でした。
(馬場 祐輔 龍監督)
「お疲れ様でした。えー…うーん…(言葉に詰まる)」
重さ120キロを超える “龍” と向き合う日々。
(指導)
「フラフラするな!」
龍衆は、19歳から65歳までの 総勢62人。
このうち半数以上は新人、34人を迎え入れました。
(山口 俊介 龍衆キャプテン)
「最後縦振りとか、みんな 内、外を、全然意識していない。振るのに精いっぱいで」
(井出 和宏 総監督)
「すべてが 重要なポジション。楽とか簡単なところは ひとつもない」
生きた龍のうねりを表現するために重要なのが「番手」と言われる “ポジション” に合わせた体の使い方。
多くの視線を集める龍踊の顔「龍頭」に、胴くぐりの門の高さを合わせる「七番衆」「八番衆」など、全く違う動きが求められます。
(六番衆 中村 尊さん)
「六番衆は、サポートで少し高くしたほうがいいのか」
ひとつのポジションに割り当てられた5人から8人の番手の絆は、日を追うごとに強くなりました。
近い番手同士で 稽古後に集まり、秘密の特訓も…。
本番直前には、囃子方にすら完全非公開の新しい技にも挑戦。
“心を一つに” 五嶋町の龍踊を進化させます。
7日、諏訪神社にあがった号砲。本番初日の朝は小雨混じりでしたが、予定通り『長崎くんち』が開幕しました。
7つの踊町、すべてが演し物を奉納するそろい踏みの今年。
諏訪の踊り馬場は、熱気に包まれていました。
五嶋町は、朝の奉納でトリを飾ります。