【解説】自治体間で差があるのは望ましくない「保育料と給食費の無償化」国で一律実施を《長崎》
県内13市のトップが一堂に会する県市長会議が、4日、行われました。
議題の1つとなったのが、保育料や学校給食費の無償化です。県内でも、市や町ごとに対応が分かれていて、国で一律に行うよう求める意見が相次ぎました。
県内13市のトップが、年に2回集まる県市長会議。
国や県に提言する内容を申し合わせました。
国への提言のうち、重点項目の1つと位置付けたのが、保育料や学校給食費の無償化です。
県内でも、市や町によって対応が異なっていることから、国に一律に無償化を実施するよう求める声が挙がりました。
(鈴木 長崎市長)
「本来、子供を生み育てる環境は、地域によらず等しく平等であるべきで、自治体間で差があることは望ましいことではない」
では、県内21市町の「保育料や学校給食費の無償化の取り組み状況」を見ていきます。
横軸は給食費、縦軸は保育料の状況です。
保育料については、3歳児以上は国が一律に無償化していますので、0歳児から2歳児についての対応を確認します。
県内で唯一、給食費と保育料の両方を完全無償化しているのが、東彼杵町です。
保育料は第1子以降、すべての子どもが対象で、給食費も小中学生全員が対象です。
今月から、いずれも自主財源での無償化を実現しました。
このほか、保育料の完全無償化を行っているのは、平戸市と小値賀町。
第2子以降を無償化しているのが、雲仙市、南島原市、島原市、壱岐市。
2人以上が同時に保育所などに在籍している場合に限定しているのが、長崎市、大村市などを含めると、合わせて13の市と町が実施しています。
横軸の給食費については、雲仙市、諫早市、波佐見町が4月から完全無償化に。
佐世保市は中学3年生のみ無償とするなど、一部のみ実施する自治体もあります。
長崎市など12の市と町は、財源との兼ね合いから無償化は難しいとしています。
4日の会議では、市長たちから自治体によって差が生じないよう、国に対応を求める意見が相次ぎました。
(野口 五島市長)
「今、大きな流れとして無償化で進んでいるが、財源的にもついていけないという中で、非常に困り果てている」
(白川 壱岐市長)
「(給食費)半額(補助)でさえも、今悩んでいるところ。そうではなくて全額を国で(支援)してほしい」
(古川 島原市長)
「町村会からも頑張っている町、どうしても(無償化に)到達できない町で差異があることに対しての意見が出ている。県も巻き込んで(国に)声を上げなければいけない」
県市長会では、保育料と学校給食費の無償化を国に対して提言することを確認。
このほか、公共交通の維持や水産業の振興なども、今年度中に国に提言するということです。