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県内でも1000件越え「児童虐待相談」児童相談所職員と警察官が“子どもを保護する訓練”実施《長崎》

2024年7月11日 19:59
県内でも1000件越え「児童虐待相談」児童相談所職員と警察官が“子どもを保護する訓練”実施《長崎》

社会問題となっている「児童虐待」についてです。

県こども家庭課によりますと、児童虐待の相談件数は全国的にも増えていて、県内でも2019年度に1000件を突破し、2022年度には過去最多の1084件の相談があったということです。

児童虐待は4つの種類に分けられます。
      
叩いたり蹴ったりなどの「身体的虐待」。

性的暴行や刺激を与える「性的虐待」。

食事を与えない、学校や病院に行かせないなどの「ネグレクト」。

無視したり、暴言を吐いたり、目の前で家族に暴力を振るうなど、子どもに精神的な苦痛を与える「心理的虐待」です。

虐待の件数を種類別でみると、全体で1084件のうち最も多いのが「心理的虐待」の648件で、全体の約60%を占めています。

児童虐待は、加害者の約9割が実の両親によるものとなっています。

被害に遭った子どもの年齢は、「0歳から3歳」が約4分の1を占め「4歳から6歳」が約2割となっていて、未就学児が全体の半数近くを占めています。

周囲に気づかれにくいという課題がある一方、子どもの早期保護に繋げようという動きもあります。

長崎市では実際の虐待現場を想定し、関係機関が対応する合同訓練が9日に行われました。

県警察学校で、9日に行われたのは、児童相談所の職員と警察官が協力して、児童虐待の疑いがある家庭を訪問し、子どもを保護する訓練です。

(訪問訓練)
「いらっしゃいますか」

実際の現場さながらの緊張感が走る中、職員たちは興奮する保護者を説得します。

(保護者役)
「勝手に触らないで。あんたたちのせいで起きとっとやろ」

粘り強い説得で、無事に子どもを保護することができました。

(相談支援一課 主任主事 末竹 正典さん)
「緊張感を持って取り組むことができた。(警察と)互いにどういうことができるのか。実際にやってみないとわからないので、こういう訓練を機会に実感できるのは素晴らしい」

(大村署生活安全課 成合真緒 巡査長)
「第一目的は児童の保護ですので、被害児童をうまく保護できるように、警察としてやるべきことをしっかりやっていく」

家庭環境や時代背景など、さまざまな要因が絡み合うことで生じる「虐待」。

県の担当者は、早期の発見と対応が大切だと話します。

(県福祉保健部 こども家庭課 出﨑 智典さん)
「関わったことがない家庭やお子さんであっても、叩かれているとか、泣き声が頻繁にするといったことがあれば、(無料相談ダイヤル)189や、近くの児童相談所にご相談いただくことが一番望ましい」

児童虐待や子育てに関する相談は、最寄りの市や町の窓口や、児童相談所の全国共通ダイヤル「189」などで受け付けているということです。