鈴木長崎市長「廃絶に向け大きく舵切るべき」平和祈念式典 アメリカやEUの大使ら出席せず《長崎》
長崎は、9日、79回目の原爆の日を迎えました。
平和祈念式典で長崎市の鈴木市長は、「核兵器の脅威が一段と高まっている」として「廃絶に向け大きく舵を切るべき」と訴えました。
79回目の原爆の日を迎えた被爆地・ナガサキ。
被爆者や市民らが追悼の祈りを捧げました
(4歳で被爆 山田 笑子さん(83))
「光は目を刺すような 今でも覚えている」
(被爆2世)
「最後の被爆地というのを大事にしないといけない」
今年の平和祈念式典には、核保有国5か国を含む過去最多の101の国と地域の代表ら 約3100人が参列。
G7の日本を除く6か国とEUの駐日大使らは、式典にイスラエルを招待しなかった長崎市の対応は「イスラエルをロシアやベラルーシなどの国と同列に扱うことになり、残念で誤解を招く」として、代理が出席しています。
鈴木市長は、平和宣言で「実際に戦場で使うことを想定した核兵器の開発や配備が進むなど、核戦力の増強は加速している」とした上で、ロシアのウクライナ侵攻や、中東での武力紛争をあげ「危機的な事態に直面している」と訴えました。
(鈴木長崎市長)
「核保有国と核の傘の下にいる国の指導者の皆さん。核兵器が存在するが故に、人類への脅威が一段と高まっている現実を直視し、核兵器廃絶に向け大きく舵を切るべきです。軍拡や威嚇を選ぶのではなく、対話と外交努力により、平和的な解決への道を探ることを求めます」
被爆者を代表して三瀬 清一朗さん 89歳は「平和への誓い」で、「世界では核兵器の使用が示唆されるなど、一触即発の緊張が続いている」と述べました。
(三瀬 清一朗さん)
「“被爆国 日本”こそが核廃絶を世界中の最重要課題として、真摯に向き合うことを願ってやみません」
式では、この1年間に新たに死亡が確認された3200人の名簿が奉安され、長崎原爆の犠牲者は19万8785人となりました。