「この海域にはまだまだ何隻かいる」“元寇船” 鷹島沖で3隻目確認 調査研究のノウハウを全国へ《長崎》
鎌倉時代に松浦市鷹島沖に襲来し、暴風雨で沈没したと伝わる「元寇船」の3隻目が新たに確認されました。
11日、松浦市や大学教授らが海底遺跡発掘調査の成果として報告しました。
(内野 義 文化財課長)
「船底構造が明確な元軍船の船体を確認。鷹島三号沈没船」
3隻目の「元寇船」が確認されたのは、松浦市の鷹島沖 約150メートル、水深約18メートルの海底です。
松浦市などは去年10月にこの海域で発掘調査を行い、船の内部を仕切る「隔壁」とみられる木製の構造物が見つかっていました。
今月1日から10日間、範囲を広げて調査を行ったところ「隔壁」の延長部分や「船室」。
木材の痕跡などを確認。
(國學院大學池田 榮史教授)
「(隔壁が) 1枚あるのだからもう1枚がどちらかにあるだろうと東側を掘ったら、ここにまた1枚隔壁が出てきた。一つの部屋をなすことが分かった」
専門家が木材の組み方の特徴などから中国南部の船だと分析し、「元寇船」の3隻目と結論づけました。
保存状態は比較的良いということです。
このほか、短刀のさや部分や陶磁器、指輪や箸のような形の金属製品、墨で文字が書かれた木材も見つかりました。
(國學院大學池田 榮史教授)
「この海域にはまだまだ何隻かいる。継続的に調査していけば、船の数は確実に増えていくことは間違いない」
また 今回の調査には北海道や東京、熊本など 6つの都道県から自治体職員12人が研修として参加しました。
松浦市は今後も発掘調査を進め、調査研究のノウハウを全国に広めていきたいとしています。