×

地元食材で ポテトチップス「JAGADA」開発 地域の魅力全国発信へ老舗菓子店の挑戦《長崎》

2024年3月22日 6:45
地元食材で ポテトチップス「JAGADA」開発 地域の魅力全国発信へ老舗菓子店の挑戦《長崎》

老舗菓子店が、県産食材で「ポテトチップス」を開発しました。

その魅力を全国へ。挑戦が始まっています。

▼長崎の素材にとことんこだわった商品開発がしたい

こだわりのポテトチップス「JAGADA」。まろやかで味わい深い塩がかかった、厚切りのチップスです。

開発したのは、創業92年。さまざまな和洋菓子を製造販売している雲仙市小浜町の小浜食糧。

(小浜食糧 金澤 友己さん)
「きっかけは、これまで商品開発の中でいろんな生産者とお会いする機会が多く、長崎の事業者として、長崎の素材にとことんこだわった商品開発がしたいことが大きなきっかけ」

常務取締役の金澤 友己さん35歳がプロデューサーとなり、新たなお菓子のブランド「SOTOKA」を立ち上げました。

長崎の素材本来のおいしさをいかしたい。

「素材」と「加工」から名付けたブランドの第一弾が、ポテトチップスです。

素材を生み出す生産者の思いも大切にしています。

(小浜食糧 金澤 友己さん)
「生産者の方々のこだわりがお菓子に活かされるようにというところは、一番意識をして進めていった」

使うジャガイモは、南島原産の「ニシユタカ」。

生産者の1人飯田弘巳さんは、ニシユタカを熟成させています。

約2℃の低温で、2か月ほど貯蔵した後、出荷します。

▼「熟成じゃがいも」をポテトチップスに

(生産者 飯田弘巳さん)
「低温で貯蔵することによって “でんぷん”が糖化して甘みが増す温度や期間が、それくらいでちょうどいい」

うま味も甘みも増した「熟成じゃがいも」。

金澤さんはその魅力を感じ、2年前に「ポテトチップスをつくりたい」と飯田さんに相談。

商品化に向けて、一緒に試行錯誤を重ねました。

(小浜食糧 金澤 友己さん)
「甘みが強い。ほかのジャガイモを試作で使った時よりも明らかに違う点。フライの方法だったり、熟成期間を変更したり、試作を繰り返して」

(生産者 飯田弘巳さん)
「生産者としてみたら、地元の食材をいかにいかしてくれるか、試行錯誤しながら商品化されてというのは、本当に感謝のひとこと」

長崎県は、北海道と鹿児島に次ぐ「ジャガイモの産地」。

生産量は、全国3位を誇ります。

県産食材のすばらしさや生産者の思いを、お菓子を通して知ってもらいたいと考えています。

(小浜食糧 金澤 友己さん)
「ジャガイモ自体は全世界全国各地あるが、その名の通りニシユタカ。西南で豊かにとれる品種なので、今後ももっと広めて、全国の人たちに食べてもらいたい」

(生産者 飯田弘巳さん)
「厚切りにしてあって、歯ごたえもしっかりしていて、熟成ジャガイモの甘みもしっかり出してもらってる。熟成ジャガイモの特徴を、最後までしっかりお客さんに届けてもらえるような仕上がり」

(小浜食糧 金澤 友己さん)
「感無量。やってよかった。多くの人にこれを届けたいし、知ってもらいたい。それが私たちの役目。これから頑張っていきたい」

ポテトチップスに欠かせない塩にも、県産へのこだわりが。

▼雪のようにふわっとした“温泉まち”自慢の塩

使っているのは、小浜食糧の近くにある製塩所「雲仙エコロ塩」の天然塩です。

(小浜食糧 金澤 友己さん)
「こちらの塩しか、考えが浮かばなかった。マイルドで優しい味わいで、ほかの塩とは違う味わいになっている」

(雲仙エコロ塩 木村 健洋さん)
「一生懸命だったからいい商品ができればと。その努力、若い子たちが一生懸命やっている姿を見たら、自分も頑張らんばと。思いが伝わってきたから」

天然塩は、小浜温泉と橘湾の海水を原料に温泉の熱でつくられています。

92℃ほどの温泉で湯煎し、ゆっくりと 3日ほどかけて水分を蒸発させます。

(雲仙エコロ塩 木村 健洋さん)
「ぐらぐら(お湯を)たぎらせて作った塩と、温泉でやさしく蒸発させて作った塩は全然違う。雪のような感じでふわっとなる」

愛情を込めて作る塩は、まろやかで優しい味わい。

ポテトチップスとの相性は抜群です。

(雲仙エコロ塩 木村 健洋さん)
「ジャガイモがおいしいし、うちの塩もいきてますね。最高です。こういう商品ができるのがうれしい」

(小浜食糧 金澤 友己さん)
「ひとりひとり素材を作る上で、こだわりや情熱を持って育て上げられているので、2人にしっかり『おいしいね。ちゃんと素材の味がするね』と言っていただけたのは、すごくほっとしているし、いいものができたと感じている」

▼県産のおいしい素材を加工し、全国へ発信

生産者の思いが詰め込まれた「ポテトチップス」。

金澤さんは、県内の様々な生産者と交流しながら、ポテトチップスに続く「SOTOKA」ブランドの第2弾の制作も進める予定です。

県産のおいしい素材を加工して、全国へ。

挑戦は続きます。

(小浜食糧 金澤 友己さん)
「長崎にはおいしい素材がたくさんあるんだと知ってもらいたいし、(生産者が)こういう思いを持って作っているんだと知ってもらって、コンセプトにも共感してもらった上で、お菓子を味わってほしい」

ポテトチップス「JAGADA」は、小浜食糧の直営店「ボンパティ」各店や、長崎空港のほか、ネット販売などでも購入できるということです。