「逆転の錦織です」「ふざけるなという票を亀井亜紀子さんに託して」 与野党の大物議員が舌戦 衆議院島根1区補欠選挙
高井和代記者
「午前8時20分すぎ、自民党の岸田総裁が米子空港に到着しました」
衆議院島根1区補欠選挙が告示されて初めての日曜日。自民党総裁、岸田文雄首相が島根入りしました。
岸田文雄首相 演説
「この選挙は未来に向けても大切な選挙であります。是非この選挙、皆さんに支えられて勝ち抜かしていただきたい。それを直接皆さま方にお願いさせていただきたい、そういった思いで駆け付けさせていただきました」
さらにその頃、県内の別の場所ではー。
立憲民主党 泉 健太 代表
「きょうが皆さん注目ですよね。岸田総理がやってくるっていうじゃないですか、各地まわってるっていうじゃないですか、怒りを持っておかしいと思って、許せないと思って、今この場所にお越しいただいたんじゃないでしょうか皆さん」
声をあげたのは、立憲民主党の泉健太代表。3つの補欠選挙が行われる中で、唯一の与野党対決となった島根1区、トップ同士が4月21日、島根県で激突しました。
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4月21日午前9時過ぎ、岸田首相は遊説に先駆けて島根県安来市へ。地元の自民党員らとの「政治刷新車座対話」に出席し、派閥の裏金問題についてあらためて陳謝しました。党員からは厳しい声も…。
自民党員
「恥ずかしい気持ちでいっぱいです。我々党員の選挙活動に大きな影響を与えております。勝っても負けても、自民党は変わらなければならない」
自民党公認・錦織功政候補を応援するため、自ら島根に乗り込んだ岸田首相は、大票田の松江市をはじめ、奥出雲町の山間部などでもマイクを握りました。
岸田文雄 首相
「この政治資金の問題、こういったことが絶対あってはならないんだと強く思っている。政治の信頼が問われている選挙、この錦織功政さんにお力添えをいただきますよう、私自民党総裁から心からお願いを申し上げる次第であります」
1996年の小選挙区制の導入以来、自民党が議席を独占していた保守王国島根1区。3補選全敗を阻止するため、大物議員が続々と島根へ。
・4月20日
自民党 小泉進次郎 元環境相
「悪いのは今の自民党です。錦織さんは全く関係ありません。我々が今認識しなければいけないことは、この選挙、私たちは負けてるんです。残り8日間、合言葉はこれです。逆転の錦織、逆転の錦織、逆転の錦織です」
一方、4月21日、岸田首相の遊説の裏では、立憲民主党の泉健太代表が党公認の亀井亜紀子候補の応援に駆け付けました。
立憲民主党 泉 健太 代表
「自民党の偉そうにふるまい、しかも自分たちの懐ばっかり温めるような人たちの政治が嫌だから私たちは政治の世界に入ったんですよ。皆さん、あんな政治が許せないから私たちは立ち上がらせていただいています。我々が対決するこの日こそ、亀井亜紀子を大きく伸ばす日に、皆さんしていこうじゃありませんか」
告示前から島根入りを繰り返し、これで4回目の訪問となる泉代表。松江市や安来市をまわり、自民党派閥の裏金事件を厳しく批判しました。
そしてこちらも総力戦で臨みます。立憲民主党からも大物議員が続々と投入され、舌戦を繰り広げました。
・4月20日
立憲民主党 蓮 舫 参議院議員
「こんな裏金絶対許してはいけないとおもいますが、いかがでしょうか。亀井さんになんとか勝ってもらわなければ、今の自民党の間違いに、勘違いにブレーキをかけることができないから、私たちもいてもたってもいられなくて島根1区に入っている」
・4月20日
野田佳彦 元首相
「ペナルティを与えなきゃ彼ら反省しないんですよ、反省させようじゃありませんか。今回反省させることのできる一票をもっているのは、今回は島根1区だけなんですよ。思い切ってふざけるなという票を亀井亜紀子さんに託していただきますようにお願い申し上げて、私、野田佳彦のお訴えとさせていただきます」
裏金事件発覚後初めて行われる国政選挙、岸田政権の行く末を左右する重要な選挙戦と両陣営が位置づけてます。