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出没が相次ぐ野生のクマ… ハイキングコースや通学路でも目撃 アウトドアが増えるこれからの季節に正しいクマ対策を

2024年7月18日 19:29
出没が相次ぐ野生のクマ… ハイキングコースや通学路でも目撃 アウトドアが増えるこれからの季節に正しいクマ対策を

人の生活するエリアで出没が相次いでいる野生のクマ。行動が活発になるという夏の時期、気を付けるべきこととは?

水浴びをする1頭のクマ。7月初めごろ、島根県江津市で撮影された大人のツキノワグマです。
撮影されたのは岩瀧寺の滝。滝の近くまで行けるハイキングコースがあり地元の子どもたちも遠足で訪れる人気のスポットだといいますがー。

動画を撮影した人
「多分水浴びをしてたんですかね。水につかってて最初見たときはゴロゴロ回るような感じで水で遊んでるように見えました。もしこれが目の前におったらやばいなという感じですかね」

クマの出没を受け江津市では当面の間このハイキングコースを通行止めにしています。

島根県では今年1月から6月末までに307件のクマの目撃情報が寄せられています。これは去年の同じ時期に比べ2倍。過去、最も多かった2020年と比べても100件以上多い数字となっています。目撃された地域は島根県西部が全体の8割を占め、続いて、雲南市、飯南町、奥出雲町の1市2町が多くなっています。

小田原リポーター
「松江市の宍道町です。昨夜このあたりにクマが出没したことから子供たちの登校時間にあわせて警察が警戒しています」

6月には、松江市でも小学校の横の道路で車とクマが衝突する事故が発生。近年の特徴として、クマの分布域が拡大していて、人が生活するエリアのすぐ近くで出没が相次いでいます。


こうした状況を受け雲南市にある小学校では子どもたちにクマの特徴を知ってもらうための学習会が開かれました。

学習会 講師
「ツキノワグマの体の特徴としてとても耳と鼻がいいです。遠くの音も高い音がよく聞き取れるし匂いでどこに食べ物があるか探します」

この小学校によりますと児童の通学路の近くでもクマの目撃情報があるということで、夏休みに入る前に正しいクマの対策法を学びました。

学習会では、
①クマと遭遇しないためには大きな音を立てながら歩くこと
②遭遇した際には慌てずゆっくり後退すること
③いざとなったらお腹と顔を下に向け首を守る体勢をとること
などクマの対策について学びました。

また、アウトドアが増える夏のレジャーシーズンにも注意が必要です。

学習会 講師
「お肉を焼いたおいしい匂いがするコンロの横に置いて帰っちゃった服を次の日着てみたらクマのフンがあるし、ドーナツがいっぱい散乱していたことがありました」

クマが町に降りてこないようにするためには、人間の食べ物の味を覚えさせないことが大切で、外で食べた菓子類や弁当のゴミは密閉し、家まで持ち帰ることが重要です。

参加した児童
「走って逃げるんじゃなくて後ずさりして逃げると分かったので良かったです」

「町でクマに遭ったことあります。めっちゃ怖かったので隠れながら行きました(今度は)静かに前を向いて後ずさりしようと思いました」


また、これからの季節は子グマが親グマから離れて独り立ちする時期のため、1頭で行動することに慣れていないクマが通常より頻繁に町まで下りて来てしまうことがあるといいます。

島根県 鳥獣専門調査指導員 杉原瑞菜 さん
「夏の時期はクマが独り立ちをしている時期と繁殖期でもあります。自然が多いところはクマもいるものと思って出会わないために何ができるか、音を出しながらクマに自分の存在を知らせるということを一番気を付けてほしいと思います」

夏休みに入り、子どもたちだけで遊ぶ際は鈴を付けたり複数人で行動したり「クマに遭わない」ための対策が重要になりそうです。