800キロの山車を人力で美術館へ 開館まで2週間 鳥取県立美術館のオープンを盛り上げる
開館まで約2週間に迫った鳥取県立美術館。オープンを盛り上げようとするあるプロジェクトを追いました。
鳥取市気高町浜村の倉庫にあったのはー。高さ4メートルほどの"山車"。
宮原翔太郎さん
「光るようになってるんですよ」
作業をしていたのは、浜村に住む宮原翔太郎さん。8年前に鳥取へ移住、空き家を、カフェや民宿にリノベーションする建設業を営んでいます。今回、ある大きなプロジェクトを美術館から任されました。
宮原翔太郎さん
「鳥取県立美術館のオープニングイベントのときにこれを使ってパレードをしようと思っています」
開館前日に、倉吉市内でパレードをして盛り上げようというのです。そのメインとなるこちらの山車。実はー。
2023年7月。吉岡温泉の空き地に集まっていた、約20人の人たち。そこには、浜村の倉庫にあった"山車"の姿も。
宮原翔太郎さん
「アートっていうと結構もともと美術に興味があったりそういう人だけの関わりになってしまう気がするけど、重いものをみんなで運ぶってなったらね、もっと裾野が広がるんじゃないかなと思って」
吉岡温泉でかつて使われていたこの山車を引き取り、人力で運ぶと言います。その重さは、約800キロ。目的地は、13キロ離れた、浜村にある作業所です。地元の人たちも、応援に駆け付けました。
地元の人
「上で三味線弾いてた方を思い出したり、人も思い出しますし、下でとにかく子供がわんわん遊んでいた時代でしたので、その当時はね。だからちょっと、ご苦労様って感じですかね」
そして午前8時、浜村へ向けて出発!公道で運搬するため、特別な許可を得たうえで、安全管理や交通整理も行います。
参加者
「不安ですね、暑さとかが不安ですけど頑張ります!」
この日の鳥取市の最高気温は35.2度。暑さが参加者の体力を奪います。スタートから約2キロの地点。午前中の関門となるのが、3キロ続くこの上り坂。
参加者
「だんだん重たくなってきた、結構きましたね」
休憩をはさみながら運ぶこと、約2時間。
参加者
「見えてきた!看板が見えてきそうな気がする!」
「オーライ!オーライ!ストップ!」
無事、午前中の目的地に到着!
参加者
「とりあえず山場は超えたみたいで、ちょっと一安心しています」
約2時間の休憩をはさみ、後半戦がスタート。
参加者
「行きまーす!」
午後は下り坂が続くため、後ろからロープで引っ張りながら制御していきます。
スタートから約8時間。ついにー。
参加者
「お疲れ様でした!!」
目的地の浜村の倉庫に到着しました。
宮原翔太郎さん
「よかったです、とりあえず完走できて。引き続き、できるだけ今までそんなに美術とか美術教育受けたとか関係ない人にも参加してもらえるようなプロジェクトにしたいと思っています」
その後、パレードで使うために、装飾を取り付けるなど作業を進めている宮原さん。さらに、3月15日と3月16日の2日間かけて浜村の作業場から美術館へと運ぶため、多くの人手を募集していると言います。
宮原翔太郎さん
「ふらっと参加してほしいですね、むちゃ気軽に。参加してもらうことによって、えもいえぬ一体感のようなものは感じてもらえるような気がするので、参加してもらったら良い経験と時間になるんじゃないかなと思います」
3月15日と3月16日の2日間かけて、人力で山車を美術館へと運びます。参加希望の方への案内は鳥取県立美術館のホームページで行っています。