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歯科医療を支えている「歯科技工士」 人材不足が続く中、追い打ちをかける専門学校の受け入れ停止 学校の存続に向けた歯科医師たちと県の動きは? 鳥取県

2024年5月24日 18:05
歯科医療を支えている「歯科技工士」 人材不足が続く中、追い打ちをかける専門学校の受け入れ停止 学校の存続に向けた歯科医師たちと県の動きは? 鳥取県

歯の健康を守る上で重要な役割を担う「歯科技工士」。鳥取県内で、歯科技工士を養成する学校の存続に向けた動きが進んでいます。

鳥取市にある歯科医院。ここで、パソコンに映る歯の型を見ながら人口の歯を作っているのは、歯科技工士の清水快さんです。歯科技工士は、歯科医の指示に応じて入れ歯や人口の歯などを作る業務を担っています。以前は、患者の歯型を作ってから作業にあたっていましたが、今はデジタル化が発達。業務効率も変わったといいます。

清水快さん
「光でスキャンするだけなので、数分で済みますし。かなり効率が上がっているのかなと思っています」

歯の型をスキャンした後は、パソコン上で歯を削るなどして形を整えます。そして、専用の機械で人工の歯を削っていきます。最後の仕上げは、歯科技工士の手作業が必要になってきますが、従来に比べて負担は減っているといいます。

清水快さん
「かなり時間がかかる工程が多いんですよ。それが大幅に削減されるので、かなり効率も上がりましたし、機械が仕事をしてくれてる間にほかの作業に回れるので、かなり助かっています」

そんな歯科技工士ですが、鳥取県内での人数は減少しています。鳥取県によると、歯科技工士の数は、2006年度は299人、2010年度は275人、そして2022年度は241人と減少が続いています。

人材不足が続く中、さらに追い打ちをかけそうなのが、鳥取県東部歯科医師会が運営する鳥取歯科技工専門学校の学生の受け入れ停止です。60年近く歴史があり、1977年度には入学者が32人いました。ただ、学校で教壇に立つ歯科医の負担や人口減少で、十分な授業料が確保できないなど運営に支障が。停止前の最後の入学生は10人で、現在は5年連続で学生を受け入れていません。

そこで、学校の存続を求めて歯科医師らでつくる「鳥取県の歯科医療を考える会」が、去年の夏から署名集めを開始。5月23日、鳥取県庁を訪れー。

鳥取県の歯科医療を考える会 会員
「ちょっとこれをまずお受け取りいただきたいと思います。一人一人の思いがこもってます。よろしくお願いします」

鳥取県の平井知事宛てに、約5000人分の署名を県の担当者に渡しました。若い人材の必要性や学校への思いも語られ…。

鳥取県の歯科医療を考える会 会員
「県外出ていったとしても帰ってくれれば、それはそれでいいと思いますので。やはり、ここでそういった火が消えてしまうのは、非常に残念です」

これを受けて鳥取県はー。

鳥取県 福祉保健部 中西眞治 部長
「歯の健康を守る上で非常に大切なお仕事ですので、県としても確保に向けてどんなことができるのか考えていきたいと思います」

鳥取県の歯科医療を考える会 清水達哉 代表
「今ある学校の物であったり、歴史であったり、技術。そういうものをどういう形であれ、県内に再構築していくかっていうことだと思います。県内に養成機関をつくるってことだと思います」

歯科医療を支えている歯科技工士。今回の署名提出により、今後の動きが注目されます。

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