明治時代をどう生きたのか? 廃藩置県によって職を失った“武士” 暮らしぶりを紹介する展示会 島根県松江市
日本全体が大きく変化した明治初期。廃藩置県によって職を失った松江藩の武士たちの暮らしぶりを紹介する展示会が、島根県松江市で開かれています。
この展示会は、仕事を失った武士たちが明治時代どう生きていたのかを紹介していて、それぞれの家に伝わる写真や文書など約150点が並んでいます。
松江歴史館学芸員 笠井今日子さん
「明治時代の初めというのは、武士を取り巻く環境、日本全体が大きく変化した時代でした」
江戸時代末期、松江城周辺には約3000人の武士が住んでいましたが、1871年廃藩置県によって、松江藩が廃止されたことから、これまで給料を得て生活していた武士が解雇されることになりました。
武士の一人、松江藩の瀧野多三郎は、大砲を扱う「砲兵」として働いていましたが、廃藩置県のあとは、新たな職業として「理髪店」を開業。「松江の散髪の元祖」とも言われています。地方でも西洋文化の流れを取り入れた自由なヘアスタイルが流行し、服装による時代の変遷も見ることができます。
そのほか、武士から画家になって活躍した「堀宗太郎」の作品も展示され、それぞれの才能を開花させた人たちの暮らしぶりが紹介されています。
松江歴史館 笠井今日子さん
「今も働き方改革などですね、職業を取り巻く環境が大きく変化してると思います。そういった中で、明治時代の武士はどういう選択をしたのかというのを見ながら、今のわたくしたちの生き方を見つめる機会になればいいなと思います」
明治時代のサムライたちを紹介するこの展示会は、3月31日まで松江市の松江歴史館で開かれています。