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鳥取県・平井知事と維新議員が初対決 訴えたのは「給食費の無償化」 議論の行方は? 鳥取県議会

2024年6月21日 15:34
鳥取県・平井知事と維新議員が初対決 訴えたのは「給食費の無償化」 議論の行方は? 鳥取県議会
一般質問に立つ鳥取県議会・玉木議員

鳥取県議会で6月21日、鳥取県の平井伸治知事と日本維新の会の議員が初めて議場で議論を交わしました。玉木裕一議員が一般質問で取り上げたのは、子育て支援。限られた財源の使い道や給食費の無償化など、2人の論戦の行方はどうだったのでしょうか。

4月の県議会補選で当選した日本維新の会の玉木裕一議員が21日、議場で初めての質問に立ちました。普段は閑古鳥が鳴く傍聴席ですが、この日は多くの支援者が集まり、ほとんど空席のない状態となっていました。

鳥取県議会 玉木裕一 議員「平井知事の取り組みの成果で現在の鳥取県があります。ただ出生率、出生数は増えておらず、県民は危機感を抱いています」

近年の鳥取県の合計特殊出生率(15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの)は、2015年から2019年にかけて1.60前後を維持し全国平均(1.4弱)を上回ってきました。20、21年はコロナ禍の影響で1.50程度まで下がりますが、21年には再び1.60まで回復し全国3位の高さとなりました。しかし、23年になると1.44に急落、1960年以降で2番目に低くなり、0.16ポイントの下落幅は全国で最も大きい数値となりました。

鳥取県は「シン・子育て王国とっとり」を掲げ、人口減少対策に向き合っていますが、思うように成果の出ていない状況があります。これに対し平井知事は―。

鳥取健 平井伸治 知事「残念ながら現状は、人もお金も東京に吸い寄せられている。ただ未来が閉ざされているわけではないと思っています」

こうした中、維新の玉木議員が取り上げたのが、将来に向けた持続可能な行財政運営の実現と子育て支援の拡充です。特に力を入れたのが、県内の小中学校の給食費の無償化でした。いまや全国的なテーマでもありますが、鳥取県は不妊治療の支援拡充や保育費の助成、18歳以下の医療費無償化などを行う一方、給食費については国に要望を行う”待ち”の立場です。

鳥取県議会 玉木裕一 議員「子育て王国の実現にもつながる施策です。全ては無理でも、まずは一部だけでも無償化してほしい」

こうした提案に平井知事は、物価高騰対策で支援を行ってきた現状や国が検討に入っている状況を説明した上で、国の責任でやるべき事業だと改めて強調しました。

鳥取県 平井伸治 知事「(都道府県単位で個別にやると)無償化する地域がまだらになってしまい、住む場所で子どもたちに格差が生まれてしまいます。玉木議員は(制度や問題点を)よく調べておられ、響くところはありますが、大きな枠組みでの動きを応援してほしい」

中国地方初の維新県議として質問に立った玉木議員。議会の合間の休憩中に取材に応じました。21日の質問に向け、政策関連の調査だけでなく、平井知事の著書「鳥取力」などを読み込み、質問に臨んだといいます。その成果を聞くと―。

鳥取県議会 玉木裕一 議員「(初めてだったが)落ち着いて質問することができました。平井知事はさすが。天晴れの一言です。前向きな答えもいただき、これから一緒にさまざまな政策を考えていきたいと思っています」

平井知事とのやり取りをこう振り返り、自ら出来を「80点」と評価しました。一方の平井知事は答弁の中で「県政に新しい風を吹き込んでほしい。執行部としてもしっかり取り込んで議論していきたい」と期待を示していました。課題の山積する鳥取県政、そして成果の乏しい子育て支援に対し、“維新流改革”は何をもたらすのでしょうか。今後の動きに注目です。

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