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鳥取県議補選 無所属の山本氏と維新の玉木氏が当選 国政並みの激戦制す

2024年3月24日 22:38
鳥取県議補選 無所属の山本氏と維新の玉木氏が当選 国政並みの激戦制す

新人3人が2議席を争った鳥取県議会議員鳥取市選挙区の補欠選挙は3月24日、午後10時半ごろに開票が終わり、無所属で自民党の推薦、公明党の県本部支持を受けた山本暁子氏(42)、日本維新の会・公認の玉木裕一氏(46)の2人が当選を決めました。

鳥取県議が不祥事で辞職・失職したことに伴う補欠選挙は各陣営とも国会議員や党幹部が応援に入り“国政並み”の選挙戦となっていました。ただ、補欠選挙ということで有権者の関心は低く、投票率は27.6%となり、過去最低だった2023年の鳥取県議選(鳥取市選挙区)の43.99%から大きく低下しました。

投票者数は4万1630人で、候補者ごとの得票数は次の通りです。

山本暁子(無・新、推薦=自民、支持=公明県本部)1万9076票

玉木裕一(維新・新、公認=維新)1万1613票

吉田正(無・新、推薦=立憲、国民、社民)9904票


県議補選に当選
山本暁子氏
「数字を見てホッとしました。皆さんには感謝の言葉しかありません。私1人の力ではなくて、自民党や公明党、協力していただいた皆さんのおかげです。やっとスタート地点に立てた思いです。私の戦いはこれからです。まずは3年間鳥取のために尽くしてまいります」

1万9076票を獲得し、トップ当選を果たした山本氏。初めての選挙出馬で知名度の低さが課題でしたが、自民・公明の支持層を中心に幅広い層の票を取り込み、予想された「政治とカネ」の問題による逆風を跳ねのけました。

選挙戦では、生まれ育った中山間地域の課題解決やITを活用した地域づくり、子育て・教育支援、農林水産業の振興などを公約に掲げ、人口の多い市街地だけでなく、中山間地域の小さな集落までくまなく回る選挙活動を展開。有権者一人一人と顔を合わせ、「住民目線の新しい鳥取」を実現したいと訴えていました。

議会では会派「鳥取県議会自由民主党」に所属する意向です。現在、この自民党の会派には女性議員が1人もおらず、山本さんの加入で5年ぶりに女性議員が復帰することになります。

県議補選に当選
玉木裕一氏
「時間の短い中だったができる限りを尽くしました。蓋を開けるまでどうなるか分かりませんでしたが、当選することができました。現役世代が希望を持てる鳥取となるように頑張っていきたいと思います」

1万1613票を獲得し当選した玉木氏は、鳥取市議から県議へのくら替え出馬で、知名度はあるものの、任期途中のくら替えに対する批判や鳥取市での組織力の低さが課題となっていましたが、「身を切る改革としがらみのない政治」を打ち出し訴えた行財政や議会の改革などが有権者に受け入れられ、得票数を伸ばしました。

投票率の大幅な低下が懸念される中、若い世代や子育て世代への投票を呼び掛け、公約には県議会議員の定数2割削減や報酬2割カット、さらに子どもの教育無償化など子育て世代を支援する政策を掲げていました。

日本維新の会にとっては、中国地方初の県議会議員の誕生となります。今後、議会で立場の近い議員と会派の結成も視野に入れているということで、鳥取県内でも維新の存在感が増しそうです。

吉田氏は玉木氏と接戦となりましたが、期待された労働組合票の確保が想定を下回ったほか、組織外の票の掘り起こしが思うように進まず、当選はかないませんでした。