【5歳女児冷水死亡裁判】「ごめんなさい」の声が聞こえても“ゲームをしていた” 母親に判決言い渡しへ 検察は「交際相手の行為黙認」指摘し懲役12年求刑・弁護側は「従属的」と執行猶予求める
今年1月青森県八戸市で5歳の娘に冷水を浴びせて放置し死亡させた罪に問われている母親の裁判員裁判は10日に判決が言い渡されます。
八戸市柏崎4丁目の無職 宮本菜々美被告22歳は交際相手の無職 関川亮被告32歳と共謀し、今年1月7日に娘の望愛ちゃん5歳に自宅の浴室で冷水を浴びせて4時間半にわたり放置し低体温症で死亡させた保護責任者遺棄致死の罪に問われています。
裁判は量刑を争点に審理が行われ、検察は「関川被告の行為を黙認していた責任は重大である」などと指摘し懲役12年を求刑しています。
一方、弁護側は「関川被告から暴力を受けており、共犯関係ではあるものの従属的な立場である」などとして、執行猶予付きの判決を求めています。
これまでの裁判では宮本被告が消防に通報した音声が公開され、「目を離した隙に娘が風呂で溺れた」と虚偽の通報をしたことが明らかにされました。
事件当日には浴室から「ごめんなさい」という望愛ちゃんの声が3回以上聞こえていて、その際に宮本被告は「自分はゲームをしていた」と当時の状況を述べています。
また関川被告が水をかける「濡らしせっかん」を黙認した理由について「少しでも怒らせると自身も殴られるのではないかと考えた」と話しました。
児童相談所の対応も検証続く
一方、事件をめぐっては八戸児童相談所が去年7月と9月に警察などから2度の虐待通告を受けて一家と1回面会していて、その後11月末に指導を終了していました。
県は児童相談所の対応が適切だったかを検証する報告書を、年度内に公表するとしています。