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衆議院選挙 選挙を特別な思いで迎える学生たち【高知】

2024年10月25日 18:54
衆議院選挙 選挙を特別な思いで迎える学生たち【高知】
42.47パーセント。これは高知県内で直近に行われた県知事選挙の投票率で、過去最低となりました。
10代に至っては22%ほどと、さらに落ち込んでいます。
10月27日に行われる衆議院選挙。危機感を抱いた学生たちが少しずつ動き始めています。

■学生たち
「若者の投票率が低いから、自分が一票を入れたところで意味無いなとそもそも諦めて行ってない人もいるんじゃないかなと」「(若年層から)入った票が多かったら重視されることとかもあると思う。投票するメリットを知らせたらいいんじゃないかなと思う」

県庁で活発な意見を交わす若者たち。話すのは選挙への素直な思いです。
県選挙管理員会が管轄する学生の団体、「Our Vote,Our Voice!」です。
現在のメンバーは10人、全員、高知大学の1回生です。

団体が設立されたのは9年前。県内3つの大学の学生が同じ世代の若者に投票を呼びかける活動をはじめました。
ところが、コロナ禍の影響で活動が制限され、運動は次第に下火となりました。
転機となったのは、今年5月。
大学で行われた授業をきっかけに、選挙に関心をもつ学生が集まり、9月に数年ぶりに活動を再開したのです。

活動再開のあと、2度目の集会となったこの日、学生たちは県の職員と若者が投票に行かない理由を考えました。

■学生たちと県職員のやりとり
学生「親世代の投票率っていうのも若者の投票率に関係してると思う」
学生「全然知らない人が選挙行きませんかって訴えかけてもあんまり心に響かない人って多いと思うけど、近しい人だったらもう少し考えてみようかなってなるんじゃないかなと思う」
県職員「身近な人ってどんな人、家族とか」
学生「家族とか友だちとか」

8年前に始まった10代の選挙。県内では投票率が全体と比べて落ち込んでいます。特に去年の県議会議員選挙では、約24ポイントと目に見えて差が開きました。

どうすれば投票行動につながるのか、考えます。

■学生2人の声
「自分は岡山県出身だが、総社市というところがあって、その総社市長さんがインスタを活発にやってて、総社市の高校生がフォローしてたり、いいねを押したり、結構、再生が回っている。何万回とか再生している動画もある」
「県選管のSNSの更新頻度を高くしたりとか、ちょっと話題性のあるもので再生回数を増やすと、もともと興味無かった人たちにも、再生回数多いものってまわる。SNSを発達させることが一番自分たちにできること」。

■学生
「義務感なく自分の意志で行けたら本当の意味で投票率が上がってるのではないかなと思うので、それを目指したい」

今回の選挙を特別な思いで迎える学生がいます。
高知大学1回生の定常拓也さん。鳥取県の出身で去年18歳になり、母親と投票に行きました。

■定常さん
「僕は家族が、お母さんが投票した人にあわせて投票した。正直どういう政治家かも分からずに投票した」

自分では判断できず母親と同じ候補者に票を入れたという定常さん。同世代の若者の意見を聞き自ら考え投票する大切さに気付いたと言います。

■定常さん
「今こういう活動をしてみて、もう少し政治に興味を持って自分で投票した方が良かったとの後悔はある」

選挙サンデーの10月20日、学生たちは啓発イベントに参加しました。
来場者に投票を呼びかける定常さん。若者や子どもたちに投票を身近に感じてもらい、選挙への抵抗感が無くなればと考えています。

■定常さん
「投票で決まる政治内容は、必ず将来若者が中心に政治内容が影響される。高齢者というよりは若い世代が投票に行った方が将来の自分たちのためになると思うので、若者の投票率は本当に上げたい」

高知に住所を移した定常さん。10月27日の投票日に1票を投じるつもりです。

高知大学で投票行動を研究する小川寛貴准教授。年々、投票率が落ち込む中で、若年層の投票こそが将来への鍵だと考えています。

■高知大学 小川寛貴 准教授
「早い時期に投票に行くことは、その後の投票率を上げることにもつながると思うので、若者の投票率が上がっていけば、今後の投票率についても上昇とまでは言い切れるか分かりませんけども低下傾向に歯止めをかけたりとかにつながると思う。あらためて自分たちの身近なもの、自分のこととして投票に行ってもらうと若者たちの声が届くと思う」

自分ごととして投票に行く。
気候変動や少子高齢化など山積する問題を未来に棚上げする前に、小さくても我々に出来ることはあるはずです。