【解説】自民大敗で…今後の石破政権は“綱渡り” 首相指名選挙へ野党との連携は?
今回の衆院選挙の公示前の議席数と、選挙後の議席数を比較します。
自民党は単独過半数だった247議席から56議席を失い、191議席になりました。公明党も8議席を失い、32議席から24議席となりました。自民・公明の与党が15年ぶりに過半数を割り込むことになりました。
一方、立憲民主党は、公示前から50議席増えて148議席を獲得しました。国民民主党も、公示前の4倍となる28議席を獲得しています。
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鈴江奈々キャスター
「衆議院選挙での自民党の大敗を受けて、今後の石破政権の運営はどうなっていくのでしょうか? 日本テレビ政治部の前野全範記者が解説します」
日本テレビ 政治部 前野全範記者
「石破首相は、28日に辞表を提出した小泉選対委員長の辞任で、執行部の責任論をおさえたい考えですが、与党過半数割れの中、綱渡りの政権運営が続きます」
自民党 小泉選対委員長(28日正午すぎ)
「目標を掲げて戦って、その結果が出なかったら、やはり執行部で選挙の責任を負うべき選挙対策委員長が責任を取るというのは、私は国民の皆さんから見ても当たり前のことだと思います。そういったことを受けて、今、辞表を提出したことであります」
前野記者
「自民党内では衆院選の大敗を受け、石破首相や森山幹事長ら執行部の責任を問う声が出ていましたが、28日に小泉選対委員長が辞任しました」
「ただ、党内ではいわゆる『2000万円問題』をめぐる不満がくすぶっており『総理も幹事長も辞めないじゃ済まない』との声も上がっています。執行部への批判が、これで完全におさまるかは、なお不透明な情勢です」
鈴江キャスター
「与党が過半数割れしましたが、石破政権は続いていくのでしょうか?」
前野記者
「石破首相が引き続き政権を維持するためには、首相指名選挙が最初のハードルとなります」
「衆院選挙の後、30日以内には特別国会が開かれることになっていて、石破首相はこの場で行われる首相指名選挙で、再び首相に指名される必要があります」
「ただ、与党は過半数割れしていて、野党の方が議席が多い状態です。政策の違いもあり『難しい』との指摘もありますが、仮に野党各党がまとまって、立憲民主党の野田代表に投票すれば、石破首相ではなく野田代表が新たな首相に指名されることになります」
「そのため、石破政権としては首相指名選挙までに、野党側との何らかの話し合いが不可欠となります。石破首相は28日、記者会見で野党との連携についてこう語りました」
石破首相
「今この時点で(野党との)連立ということを想定しておるわけではございません。まず、それぞれの政策を日本国のために、国民のために、謙虚に取り入れていくということ。よく協議をするということから、始めていかねばならないと考えております」
前野記者
「ある自民党幹部は『協力する相手は国民民主党だ。政策面での協力あるいは閣外協力をお願いするのが基本だ』と話しています」
「ただ、国民民主党の玉木代表は『コミュニケーションは自民党に限らず、立憲民主党や各党ともやっていく』と述べていて、協力が得られるメドは立っていません」
「さらに首相指名選挙を乗り切ったとしても、補正予算案や法案はその都度、野党の協力を得ないと成立させられない状態で、石破首相にとっては、いばらの道が続くことになります」