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16ミリフィルムに絵を描いて上映してみると!?子どもたちが映画づくりを体験

2024年8月21日 15:56
16ミリフィルムに絵を描いて上映してみると!?子どもたちが映画づくりを体験

夏休みの宿題に絵を描く子どもさんも多いと思いますが、こちらの子供たちが絵を描いているのはちょっと変わったキャンバスです。懐かしいけど新しい。不思議なワークショップに潜入しました。

夏休みに楽しい思い出を作ってもらいたいと開催されたとあるワークショップ。参加者が透明なテープのようなものに絵を描いてますが…何に描いているのか分かりますか?

答えのヒントはワークショップの前に開かれたイベントに。

映画の上映会です。

上映会の司会とワークショップの講師を務める石川誠二さん。映写技師でもある石川さん。県内各地の公共ホールや公民館などで映画を上映し、その魅力を発信しています。

上映に使っているのは今では珍しい35ミリフィルム映写機ですが、映画のフィルムと子供たちが絵を描いていた透明のモノ。

ちょっと形が似ていると思いませんか?

ワークショップ講師 石川誠二さん:
「透明の16ミリフィルムに自由に絵を描いてもらって、映写機にかけて映して楽しむワークショップです。今回が初めてです。機材とかフィルムとかが手に入ったのでできることになりました」

その名も「フィルムで遊ぼう16ミリフィルムペイントワークショップ」。およそ30人が参加しました。

石川さん:
「皆さんの目の前に既に並んでます。これが16ミリフィルムです」

「16ミリ」とはフィルムの幅のこと。アニメーションを作るには1秒あたり24コマの静止画が必要で、ほんの少しずつ違った静止画を連続して映すことで動いているように見えます。

しかし、1コマずつ絵を描くのは時間も根気もいる大変な作業。ということで…

石川さん:
「自由です。こう描いてくださいというのはありません。(コマを意識せず)ぐじゃぐじゃに描いてもいいし線をかいてもいいし1コマ1コマずつアニメーションを描いてもいいし、塗りつぶした後、竹串でこんなふうにしても面白いかも」

いよいよお絵描きスタート。制限時間は1時間。油性ペンでフィルムに直接描いていきます。

参加者:
「アメちゃんのお家でここから先はいろんな探検を描いていこうと思います」

机の横幅1列分のフィルムがおよそ30秒。6列あるので180秒=3分の映像をみんなで作り上げます。

参加者:
「間違えたときはどうすればいい?」

石川さん:
「もう、このまんま。間違えちゃったのはそれはそれで面白いので」

石川さん曰く、フィルムについたホコリも上映すると作品の味になるんだとか。

1グループで担当するのはおよそ10秒分。なんと240コマにもなるんです。

親子で絵を分担したり一人で黙々と描いたり。

参加者:
「ポップコーンの焼く前のが、 焼いてポップコーンになった感じ」

あっと言う間に1時間が経ちました。

石川さん:
「特殊な(テープ)セロテープじゃないんですよ」

お絵描きが完了したフィルムを繋げていきますが、ギリギリまで描き続ける子も。

それぞれの作品が1本のフィルムになりました。映写機にセットしていよいよ上映です。

現在の主流はフィルムを使わないデジタル上映。フィルム作品の上映は大人には懐かしく。子供たちには新しい体験です。

最後は舞台に上がってスクリーンに自分の影を映したり踊ったり。参加者も作品の一部に。

姉弟:
「絵を描いてる時が楽しかった」
「みんなの作品も見れてこんなに長くて面白かったんだなって思いました」

石川さん:
「自分たちが映す映画を見に来てほしいし、映画館にもたくさん行ってほしいですけどきょうも何のことかよくわからずに来てくれて、やったらすごく楽しかったとか見たら面白かったと言ってくれたので、それがそういうものに繋がれば」

上映が終わると自分が描いたフィルムを持ち帰る子供たちも。

女の子:
「最後時間切れでここ空白になっちゃって、もうちょっと時間欲しかったです。またあったらしたいと思う」

女の子:
「自分やみんなが作ったのを映画みたいにしてるのが一番楽しかった」

みんなで作った3分間が夏休みの思い出の1コマになりました。