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西条の名水でつくる“黒ビール”&道の駅が仕掛ける“サワーエール”!愛媛のクラフトビール最前線

2024年6月7日 18:58
西条の名水でつくる“黒ビール”&道の駅が仕掛ける“サワーエール”!愛媛のクラフトビール最前線

全国的にクラフトビールがブームになっていますが、実は愛媛でも地元ならではの素材を使った個性派が続々と生まれています。愛媛のクラフトビール最前線です!

今年でオープンから9年。全国各地のクラフトビールが楽しめる松山市の「BOKKE」。

BOKKE 澤村和高さん:
「店をオープンした時は(クラフトビール醸造所は)県内に2つだけだったけど、県内でも10を超えるくらい。どんどん身近になってきてると思います」

常連客:
「ブリュワリーさん(醸造所)のこだわりが出てくるところが面白い。どこのを飲もうかすごく悩まされるといううれしい悲鳴がある」

この日は県内4つの醸造所の8種類のクラフトビールが揃っていました。

澤村さん:
「間違いなく愛媛のビールは盛り上がっていると思います」

水にこだわり!立ち飲みもできるクラフトビール醸造所へ

その盛り上がりを体感しようとまずは名水「うちぬき」の里、西条市へ。

水口気象予報士:
「暑くなってくるとビール指数も上がりますよね。西条市に去年の秋にオープンしたクラフトビールのお店です」

立ち飲みスタイルの店ですが、カウンターの先にビール工場が!愛媛で一番新しいクラフトビールの醸造所「グランドタップブルワリー」です。

山根大樹さん:
「ここで製造したものをこっちで提供している。工場から一番近い距離の…」
水口気象予報士:
「出来立てをいただける」
山根さん:
「そうですね」

常時、6種類~8種類の生ビールを楽しめますが、仕込みに使っているのはもちろん!名水「うちぬき」です。

この日、新作ビール2種類がラインナップに加わりました。中でも、こちらの黒ビールちょっと意外なものが原料に使われているんです。

答えの前に…西条出身のビール醸造士・山根大樹さんに工場を案内してもらいました。

山根さん:
「こっち側のタンクが仕込み窯といって、ビールの素を作る窯とかタンクになります」

そのビールの素を、タンクで1か月から2か月発酵させるとビールができあがります。

山根さん:
「今のところ毎月2、3種類新商品を出していってるんですけど、西条といえば水だと思うんできれいな湧き水使って、水の良さを感じられるビール作りは意識してやっています」

きっかけはアサヒビール四国工場の閉鎖「ビールの楽しみを新しく届けたい」

醸造所オープンのきっかけは去年1月のアサヒビール四国工場の閉鎖。地元の配管溶接会社がその技術を使って醸造所を作り、県外の醸造所で働いていた山根さんが西条へUターン。

山根さん:
「(閉鎖は)すごい残念だったという声は多く聞いていて、代わりとはならないかもしれないですが、違ったビールの楽しみを新しく届けていけたらいいなと思っています」

県産品つかった個性派ビールが続々と誕生

定番ビールや限定ビールなど、創業半年で18種類ものメイドイン西条のビールを生み出してきました。

その最新作が、先ほど登場した黒ビール。原料となっているのは…

山根さん:
「河内晩柑を使って夏に飲める黒ビール=スタウト」

県内産の河内晩柑を使ったその名も「BANKAN」です。

山根さん:
「結構意外な組み合わせだと思うんですけど、河内晩柑の独特なジューシーさみずみずしさと酸味を黒ビールが本来持っている焙煎した麦芽から出てくる酸味にかけ合わせた夏でもゴクゴク飲める黒ビール」

一方こちらは大麦・小麦・西条の裸麦などを使って濁りを出した見た目がジュースのような「BAKENEKO」。

贅沢に、2種類のビールを飲み比べです。

(にごりが特徴のBAKENEKO)
水口気象予報士:
「すごいすっきりしてます。ほのかに苦みもある。フルーツの何かが入ってる訳じゃないけど」
山根さん:
「ホップを入れてフルーティな香りや味わいを付けてます」

(夏の黒ビール BANKAN)
水口気象予報士:
「香りは黒ビール。黒ビールなんだけど河内晩柑のフルーティさがのってます。コクがあるのかなと思いきやものすごくスッキリしていてゴクゴクいけちゃいますね」
山根さん:
「いろんな味わいとか香りの幅を楽しめるのがクラフトビールの良さだと思うので、色んなビールを作って、ビールってこんなに種類があってこんなに面白いんだと。楽しい場所になればいいなと思います」

グランドタップブルワリーのビールは工場併設の店のほか、西条市内や松山市でも購入できます。

道の駅で名物バイヤーが仕掛ける最新作は!?

続いてやってきたのは、川のせせらぎが涼を感じさせる久万高原町の道の駅みかわ。実はここでしか買えないビールがあるんです!

キーマンは、道の駅みかわの名物バイヤー江ノ上敦士さん。江ノ上さんは、火を噴く猪のイラストの「激辛イノシシカレー」や久万高原町産のリンゴを使った「激甘リンゴカレー」など超個性的なお土産の仕掛け人!

その最新作が。

江ノ上さん:
「こちらです。トマトですね、久万高原町産の桃太郎トマトを使ってます」

原料にトマトの果汁を使い、松山のクラフトビール醸造所とコラボした発泡酒です。同じく江ノ上さんプロデュースの久万高原町産リンゴビールに次ぐ第2弾として先月登場しました。

バイヤーおすすめランキングも堂々の第1位!注いでみると…ん?赤くない!?

江ノ上さん:
「味は、すごい酸味が効いてますね」

激辛、激甘の次はすっぱ~い「サワーエール」です。

江ノ上さん:
「お肉料理とかさっぱりしたいときに合うんじゃないかと思います。暑くなってきますのでぜひこちらを飲んで元気になってください」

水口気象予報士:
「においがすっごい爽やか。酸っぱい!酸味がきゅっときた後にほのかにトマトの香りがふわっと。夏場のじめっとした暑さの時にいいですね」

地域の特産品を生かしたビールや醸造所ならではの多彩なビール。愛媛のクラフトビールから今後も目が離せません。