人身事故が多発…愛媛県内で最も「危ない交差点」はナゼ事故が多い?定点観測で見えてきた要因は
先月、日本損害保険協会が去年1年間に人身事故が多発した‟危ない交差点”を発表しました。
愛媛県内で去年1年間に最も人身事故が発生し、ワースト1位となった交差点。どうして事故が多いのか?観察すると、事故を引き起こしかねない「要因」が見えてきました。
県内で人身事故最多は…はなみずき通りと住宅街からの市道が交わる交差点
杉本記者:
「去年愛媛県内で最も人身事故が多かった場所がこちらの交差点です。松山市の南環状線から、はなみずき通りの方に入ったこちら」
2022年、県内で人身事故が最も多く発生したのは松山市朝生田町。南北に延びる市道通称・古川はなみずき通りと住宅街からの市道が交わる信号機のない交差点です。
南北の道の両サイドには側道があり、変則的な六差路となっています。
去年車同士や、バイク同士の追突事故、車とバイクによる出会い頭の衝突事故など5件の人身事故が発生。
近隣住民:
「あ~事故は多いんじゃないんあそこは」
近隣住民:
「信号がないけんな、けっこう向こうから出てきて右折するんが多いんよ。かまんと思って出てきて確認せずに曲がってドンって」
近隣住民:
「自転車とか一旦停止せずに、直接行って車も一旦止まらないんよね。交通ルールをみんなが守ったらいいんだけどね」
どうして事故が多発するのか?
複雑で変則的な六叉路 しかし信号機・交通規制もなし
今週月曜日の朝の通勤・通学ラッシュ、近隣住民から「危ない!」と指摘が多かった交差点の西側に注目して定点観測しました。
この映像の中に、「危ない!」が隠れているのですが…みなさん、気付きましたか?
まずは、ココ。
杉本記者:
「このように、右折したい車左折したい車、直進したい車、いろんな車が交わる場所になっています」
『交通量が多く、道が複雑』
この交差点は変則的な六叉路となっていて、車の通行方法は、最大で実に30パターン。
しかし、信号機や一方通行などの進行方向に関する交通規制はありません。
今回の定点観測中、西から交差点に進入した車のうち、右折をした車は全体の73%を占めていて、こんな場面がしばしば見られました。
画面左、交差点の西側から右折しようとする黒い車。
手前の車が停止し、道を譲ったため、交差点の中心にゆっくりと進入しますが…その奥から、車!右折レーンを走行する車がいたのです。
もし、お互いが確認をせず進んでいたら…事故が起きていたかもしれません。
交差点での混雑を回避するためか、歩道をショートカットする車も。
側道に「停まれ」の標識があるにも関わらず 一時停止する自転車はゼロ
次の、「危ない!」は…ココ!
画面手前から奥、市内方向に向かって側道を走る自転車に注目して下さい。
交差点に進入する手前に一時停止の規制がありますが…30分間で通過した60台のうち、一時停止した自転車は「ゼロ」。
左手にはマンションがあり、カーブミラーはないため、左からやって来る車やバイクの動きは確認しづらい状況です。
側道と交わるもう一方の道にも一時停止の規制がありますが、定点観測では、スピードを緩めず、勢いよく交差点に進入する車もしばしば見られました。
かつて「危ない交差点ワースト1位だった」交差点で講じた対策は
一方、こちらは2021年『危ない交差点ワースト1位』だった松山市古川南の交差点。
近隣住民:
「よくなったです!変わりました。みんなが気を付けだしたような気がする」
おととしこの交差点で発生した事故は5件でしたが、去年は3件に減りました。
松山外環状側から市内方面へと向かう車のスピードが速く、横断歩道で止まらないことが多いのが課題だったこの場所。
そこで、去年松山市は車のスピードを抑制しようと車道に路面標示を追加。
更に…
杉本記者:
「1年前は、このような高さ70センチほどの植え込みだったんですけれども、今はこのような花壇になっています。色とりどりでとてもきれいです」
横断歩道横の植え込みを撤去。近隣住民が背の低い花を植えました。
近隣住民:
「見晴らしがよくなったんじゃないかな?多少。止まってくれることが多くなった。事故も少なくなりました」
ちょっとの工夫、ちょっとのゆとりが事故を減らす第一歩かもしれません。