【終売へ】人気アイス「ビエネッタ」3月で販売ピリオドに工場地元も惜しむ声…最終入荷のスーパーに密着(静岡)
3月の販売終了で、多くのファンから惜しむ声が聞こえる森永乳業のアイス「ビエネッタ」。実は、静岡・長泉町で製造されていたのです。最後の入荷となったスーパーに密着しました。
パリパリとしたチョコレートとアイスが何層にも重なった「ビエネッタ」。40年以上、愛されてきた人気商品でしたが森永乳業は、先週2月10日、販売を終了すると発表。町には惜しむ声も…。
(30代会社員)
「すごい残念…」「友達も『やっと買えた』とSNSにあげていタ。やはり無かったんだと思って、探しにはあえて行かなかった」
(60代自営業)
「両親が習い事の教室をやっていたので、生徒さんたちが手土産で持ってきたりとか」「みんなでわ~って喜んだ」
反応はSNSでも…。
(SNSでの反応・女性)
『子どものころから“ご褒美ビエネッタ”してました。まだ、この現実を受けとめられずにいます」
(SNSでの反応・男性)
「大人になって一箱を完食し、何度お腹をくだしたことか。ビエネッタの送別会やろう」
1983年から販売が開始された森永乳業の「ビエネッタ」。バニラ、ティラミス、カップの3種類がありましたが、全て3月をもって販売終了となります…。理由は、イギリスのユニリーバとのライセンス契約が終了するためだといいます。商品の表示を見てみると…。実はこの「ビエネッタ」長泉町で作られていたのです。
道路から見てもひと際目立った大きな工場。ビエネッタは、販売当初から、ここで作られ、全国各地へ送り届けられていました。ちなみに、人気商品の「パルム」や「モウ」も、この工場で作られているといいます。
この「ビエネッタ」、“販売終了が発表”されてから手に入りにくくなっているようなんです。
ここは長泉町のお隣、沼津市にあるスーパー、田子重。
販売終了が発表された後ですが、まだ売られているのでしょうか?
(田子重 西島町店 新村 圭介 店長)
「こちらがアイスコーナー。ここにビエネッタがあったのですが、空っぽの状態です」「(販売終了を発表した)10日の内に、売り場の商品、全て無くなってしまった」
通常、1日に売れるビエネッタは1、2個ですが、その日の内に、店にあった10個全てが売れたといいます。その後、買い物に来た人や、電話での問い合わせも急増。発注しても、問屋から“商品が無い”との返答が数日続いたといいます。しかし…。
(田子重 西島町店 新村 圭介 店長)
「運よく在庫がありまして」「奇跡的に、少しだけ入ることになりまして…」
方、ここは、静岡市内の「田子重」。ここでは、これまでビエネッタを取り扱っていなかったということでしたが…。
(田子重 西中原店 増田 克己 店長)
「お客様から要望がありまして、入荷するという経緯です」「バイヤーに頼んで、在庫がある分だけ、今回、入荷してもらいます」
入荷日となる先週土曜。再び沼津市の田子重をのぞいてみると…。
(坂井 太一 記者)
「あ、電気ついた、6時半です。朝6時半です」
そして、午前6時51分。アイスと冷凍食品を積んだトラックが到着。積み下ろされた数々の商品の中には、ちゃんと、ビエネッタが。よくみると、「数量限定商品」と書かれていました。商品は、すぐに冷凍庫へ搬入され…、あとは陳列、開店を待つのみと思われましたが…思わぬハプニングが。
(田子重 西島町店 新村 圭介 店長)
「これだけ探して無いから…」「ティラミスが2ケース(12個)入る予定だったんですよ」「それが無い…」
バニラ5ケースはありましたが、発注したはずのティラミス2ケースが見当たらないのです。すぐに、仕入れ担当のバイヤーに確認をしますが、電話に出ず…。その後、“その訳”が判明…実は“ビエネッタの取り合い”が起きていたのです。そもそも、ティラミスの在庫は問屋に5ケースありましたが、“ギリギリの差”で他の店舗に。つまり、多くの店舗が“まだ在庫があると知り、”問屋に注文が殺到。沼津市の田子重の発注は通っておらず、少し前に発注した他の店舗が、ティラミスを勝ち取っていたのです。とはいえ、今やプレミアムとなる30個をゲットした沼津の店舗。開店前に陳列されていきます…。
(店員)
「最後です。なので、めちゃくちゃレアですね」
そして、9時開店。『さよならビエネッタ』と書かれたポップ。多くの人に買ってもらいたいと、“一家族1箱限り”で販売します。店側も事前告知はしていなかったので、たまたま見つけた人が、運よく購入しているようでした。
(70代主婦)
「何店か回ったんですよ、スーパー を。でも、みんな売り切れで」「やっとあったという感じ」
(60代主婦)
「ほぼほぼ店舗に置いてないって聞いていたから、あるんだと思った」「ラッキーでした、ふふふふふ」
(70代主婦)
「出た当初を知っているから、その時はケーキみたいって食べてた」「寂しなと思いながら」
手に入れたプレミアムな30個。取材をした午前中の3時間で17個、その後、1時間ほどで、残りの13個も売れ、完売したということです。
反響は裾野市でも。
(裾野市情報発信課 ふるさと納税強化対策室 小山 聖仁さん)
「お渡しできる物がないものですから、受付期間外として対応している」
2024年11月から、ビエネッタを「ふるさと納税」の返礼品として取り扱っていた裾野市。製造工場の住所は長泉町ですが、敷地の約半分は裾野市なのです。市は3個で1万5000円などで寄付を募っていましたが、申し込みが殺到…。通常、この時期の申し込みは1日10件から20件ほどですが…、販売終了が発表された日とその翌日には、ビエネッタだけで623件の申し込みがあったといいます。もちろん、在庫が足りず、対応できたのは99件…。
(裾野市情報発信課 ふるさと納税強化対策室 小山 聖仁さん)
「行き渡る在庫があれば、もう少し寄付が伸びて、裾野市の財源に貢献できたかなと思う」「何千万単位の話になっていたかなと思います」「多岐にわたる返礼品があるので、そちらを見てもらえれば、裾野市の魅力を感じてもらえると思う」
40年以上、全国の人たちの思い出を作ってきた「ビエネッタ」。まだ、食べたことが無い人にも素敵な思い出を作ってもらうため、店頭で見つけた際は、買い占めをせず、譲り合う気持ちが大切です」