【ハヤテ球団職員に密着】静岡に誕生!プロ野球新球団…チームづくり進める舞台裏(2023年12月28日放送「every.しずおか年末SP2023」)
慌ただしく会場を設営するスタッフたち…「真ん中、山下GM、赤堀監督・・」
先週、静岡市内で開かれたのは、来シーズンからプロ野球のファームリーグに参入する「ハヤテ223」の記者会見。その準備が進められていました。“新球団”の会見にはたくさんのメディアの姿が。
会見をサポートしていたのは、球団職員の榎本滉一朗さん29歳です。ゼロからのチームづくりを進める舞台裏に密着しました。
来シーズンからプロ野球のファームリーグに参入するハヤテ223。その運営を任されているのが球団職員の榎本滉一朗さんです。埼玉県出身の榎本さんは大学卒業後、社会人野球チームでマネージャーを務め、九州の独立リーグに所属する火の国サラマンダーズでも球団職員として働くなど、野球に人生を捧げてきました。
ハヤテの監督には、藤枝市出身で近鉄で活躍した赤堀元之監督が就任…この日は、新たにコーチ陣がお披露目されました。
(伊藤キャスター)
「赤堀監督はどんなチームにしたいですか?」
(ハヤテ223 赤堀元之監督)
「守り勝つ野球。ピッチャーが抑えれば負けることはない」
ゼロからつくる新球団の運営などを任されている榎本さんも、“節目”の会見を終えてほっとしたようです。
(伊藤キャスター)
「どうでしたか会見の手応えは?」
(ハヤテ223 榎本滉一朗さん)
「成功ですね、成功と思います。あれだけ集まっていただいたし、これからも入団会見があるから。今度は選手が並ぶから、がんばります」
NPB=日本野球機構は来シーズンから「ハヤテ」と新潟の2つの球団がファームリーグに参入することを承認しました。しかし、すでに独立リーグに参加していた新潟と異なり、ハヤテはチームをもっていないためゼロからのスタート。スポンサー探しから選手との契約交渉まで、業務は多岐にわたります。
(ハヤテ223 榎本滉一朗さん)
「プロ野球チームを立ち上げ、もちろんやったこともないし。いよいよ本当に現場が動き出すんだっていうところで、非常にプレッシャーを感じています」
12月半ば、榎本さんの姿はハヤテが本拠地とする静岡市清水区の清水庵原球場に…
(ハヤテ223 榎本滉一朗さん)
「球場の常設看板、ネーミングライツや、お客さんやスポンサーさんに、どうすればよく見えるかを話し合いました」
ハヤテは、静岡市と協力し清水庵原球場の愛称に企業名や商品名をつけることができるネーミングライツを募集。スポンサーがメリットを感じられるよう看板の配置やデザインなども話し合います。
(ハヤテ223 榎本滉一朗さん)
「そこに地元の企業さんの名前をどんどんつけて、球場って何もないより看板があると、“わあすごい球場来た”みたいな。ああいう雰囲気を出したいという意味もあるけれど。神宮球場や東京ドームみたいに、たくさん看板が入っていると楽しいじゃないですか」
先週、榎本さんは東京へ。朝からハヤテグループの本社でミーティングに参加。これまで、ほぼ1人で準備に追われてきた榎本さんでしたが、新たに2人の球団スタッフが加わったのです。
(ハヤテ223 榎本滉一朗さん)
「はじめてだよね、裏方は。失敗は全然OK。大変だけど開幕したときはめちゃくちゃ嬉しいし、みんなで乗り切っていきましょう」
新たなスタッフとの顔合わせを終えると、すぐに新幹線で静岡へ…この数日前には打ち合わせで九州にも行くなど多忙な榎本さん。
(ハヤテ223 榎本滉一朗さん)
「次は庵原球場で来年の日程調整とキャンプの打ち合わせをします。宮崎行って、東京行って、静岡帰って来て」
静岡に戻ってからも分刻みのスケジュールをこなします。翌日、榎本さんの姿は三保地区のホテルに…「選手の合宿寮」として使うことを快諾してくれたのです。
(ビーチホテ ルゴーシーズ 合志明倫 代表取締役)
「まさに名前のごとく突っ走っていっていただければ。清水港全体でハヤテを応援できれば…」
開幕まで3か月に迫る中、榎本さんは、課題を一つひとつクリアしていきます。
ハヤテは10人のNPB経験者に加え外国人選手を5人ほど獲得するなど、約40人の選手でスタートすることを想定しています。ただ、選手がそろっても、1軍をもつ12球団と比べどう収益を確保するかが大きな課題です。赤堀監督は、多くの県民にファンになってもらうため“地域貢献”の重要性を掲げています。
(ハヤテ223 赤堀元之監督)
「選手が、地域の人と触れ合える場をつくっていかなくてはならない。選手が街に出て、演説するくらいの気持ちでやった方が変わったかたちになる」
この日は、地元住民の集まりに顔を出した榎本さん。1月に清水庵原球場で開かれる住民主催のイベントに参加することが決まりました。
(ハヤテ223 榎本滉一朗さん)
「地元に応援されなきゃいけないので、どんどんイベントに出たいですね。いろんな交流ができたらいいな」
選手のサポートだけでなく、地域に愛される球団を目指して奔走します。
(ハヤテ223 榎本滉一朗さん)
「一年目だからやりながらでいいと言われるけれど、一年目だからこそ絶対勝つんだと、最大限環境としては用意したい。子どもじゃないけど、弟みたいな感じの選手も多いし、みんな本当にいい子が多い。やる気に満ちてるので、非常に楽しみですね」
1月25日に清水庵原球場でキャンプインするハヤテ223。66年ぶりとなる新球団で榎本さんたちの“挑戦”は続きます。