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【意識変化】「南海トラフ地震臨時情報」発表直後から来館者が急増した県の施設とは?(静岡)

2024年9月23日 17:50
【意識変化】「南海トラフ地震臨時情報」発表直後から来館者が急増した県の施設とは?(静岡)

8月、初めて発表された「南海トラフ地震臨時情報」。それを受けて行われた静岡県のアンケートの結果、県民の南海トラフへの意識が上昇し、ある施設への来館者が急増しています。

8月8日、日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、宮崎県などで震度6弱などを観測しました。それに伴い、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報」(巨大地震注意)を発表。

(8月・気象庁の会見)
「南海トラフ地震臨時情報巨大地震注意を発表しております。南海トラフ地震の想定震源域では、新たな大規模地震の活性の可能性が平常時と比べて相対的に高まっていると考えられます」

この発表を受け、県は県民の防災意識や防災対策に関する意識調査を実施。その結果が発表になりました。すると「南海トラフ地震臨時情報」について知っていますか?という問いに、2024年3月に行われた調査では、「知っている」と答えた人は37%だったのに対し、今回は66.1%と大幅に上昇。県民の南海トラフ地震に対する意識が向上したことがうかがえます。実は、「南海トラフ地震臨時情報」の発表直後から、ある場所で変化が起きていました。それは、「県地震防災センター」。入館者が急増し、普段の6倍もの来館者が訪れる日もあったといいます。

「南海トラフ地震臨時情報」の発表から間もないこの日は、小学生と保護者の約100人が団体で来館し、地震や津波など様々な災害から身を守る方法や備えについて学んでいました。

(来館者)
「南海トラフの臨時情報も出ていたので、備えて参加してみようと思いました」

(来館者)
「南海トラフとか起きると言われているので、それの準備というか、地震の後の時のためになるなと思って、すごく役に立ちました」

また、自動車ディーラーの「静岡ダイハツ販売」は、企業の安全対策の一環として、延べ450人もの社員が来館。防災についての知識や意識を高めています。

(社員)
Q.こちらのセンターに来たのは初めてですか?
「はい初めてです。会社でこういう機会がもらえて良かったと、きょう来て思いました。他のところで起きてることっていうイメージがあったんですけど、本当に自分ごとにしないといけないなというのが、きょう、ここにきて改めて感じました」

県民の防災意識の向上を裏付けるように、今注目を集めている「地震防災センター」。あらゆる災害を見据え、防災先進県にふさわしい発信拠点として、2020年にリニューアルしました。そこで、インストラクターの杉原さんに防災対策についてうかがうことに…。

(県地震防災センター インストラクター 杉原 満さん)
「こちらが静岡県なんですけど色を見ていただくとわかりますが、ご覧の通り幅広い範囲にわたって震度6弱から6強、あと色の濃い部分は震度7というところもあります」「静岡県の第4次被害想定によりますと、この地震によって最悪10万5千人の方が犠牲になるかもしれないという、さらに、そのうち9万6千人が津波による犠牲者ということで、非常に多い想定になってしまっております」

政府の地震調査委員会は、マグニチュード8から9クラスの地震が30年以内に発生する確率は70%~80%と算出。まさに、いつ起きてもおかしくない状況と言えます。そこで…。

(県地震防災センター インストラクター 杉原 満さん)
「この起震台は、1から7までそれぞれ震度階級ごとに体験できるものと、過去の阪神淡路大震災や東日本大震災の揺れの一部を再現できる起震台です。さらに、想定される南海トラフ巨大地震が来たらどのような揺れになるのか、そういったものも経験できます」

そこで、「南海トラフ地震」で想定される「徐々に揺れが強くなる震度7」を体験することに。まずはゆっくりと揺れ始め…

(高山 基彦 キャスター)
「ちょっと待ってください!わっわっわっわ!ちょっと待って一気に来た一気に来た立ってられないこれっ!」「想像以上の強い衝撃で、今でも心臓がバクバクしていてこれ冷静な判断がまずできないですね」「ぜひとも備えを進めていただきたいと思います」

その他にも館内には、津波が発生する原理や液状化現象が起こる原理などが見て学べるブースが。また、今すぐ始めたい家具の固定に関する情報やグッズなども確認することができます。

一方、今回のアンケートで気になる結果も。それは、食料や飲料水の備蓄について。能登半島地震直後に行ったアンケートでは、7日分以上の食料を備蓄していると答えた人が22.1%だったのが、今回15.1%に。飲料水は27%だったのが今回18.9%と、時間の経過に伴い備蓄に対する意識の低下がみられました。

(県地震防災センター インストラクター 杉原 満さん)
「救援物資が届くのにも、かなり日数がかかると思いますので、備蓄品は家族の7日分以上を溜めていただいた方がいいということで…気になる水っていうのはどのぐらい必要なんですか?

(県地震防災センター インストラクター 杉原 満さん)
「一人1日3ℓを目安にしていただいております」

つまり1人分に必要な水は1週間で21リットル。この量×人数分が必要になるんです。さらに、食料も7日分となれば、かなりの量。そこで杉原さんが進めるのがローリングストック法です。

(県地震防災センター インストラクター 杉原 満さん)
「普段食べてるものを中心にですね、家族の7日分を用意していただきまして、古いものから先に普段の食事として食べてしまいまして一食足りなくなった分を買い足して、常に7日分置いておきましょうというのがローリングストック法です」

つまり、普段から食べて、その分を補う“普段使い”がポイントだといいます。自分の命は自分で守る様々な知識を学び今すぐ防災対策を始めてみてはいかがでしょうか。

最終更新日:2024年9月23日 17:50