【解説・浜名湖畔高校生殺人】今後の捜査のポイントは?元東京地検特捜部副部長・若狭弁護士に聞く(静岡)
静岡・浜名湖畔で男子高校生が遺体で見つかった殺人事件で、今後の捜査のポイントは?
(元東京地検特捜部副部長・元衆議院議員 若狭 勝 弁護士)
捜査の鉄則としては、“役者をそろえる”という言葉があります。つまり、今回の事件はいまのところ複数犯、複数の人が犯行に関与している疑いがあるのですが、そうした関与している人間を、できるだけ全部ひっくるめて逮捕する=“役者をそろえる”ということが大事なんです。
同時に逮捕することが大事なんですか?
(元東京地検特捜部副部長・元衆議院議員 若狭 勝 弁護士)
本来はそうなんです。なかなかできないんですけれど…だれか1人は逮捕できずにずっとそのままになってしまうということあがあるとすると、事件の真相解明をするには非常に壁になることがあります。
ある程度逮捕したら、次のステップとしては、やはり役割分担というのをやはりきちんと追及して認定していくこと。例えば今回の場合には(被害者の死因が)「溺死」なんですけれど、仲間の中で、確かに『殴ったり蹴ったりはした』と…でも『私はその限りであるから、それ以後、浜名湖に誰かが投げたとかいうことには私は関与していない』という弁解は出る可能性がある。ですから、そうした複数犯の場合は、だれがどういう関与をしたのかということをきちんと認定していかないと真相が発見できません。
特に複数犯、共犯の場合には、“引っ張り込みの危険”という言葉があるのですが、自分の刑事責任を弱めたいがために、より一層 共犯者が『ほかの人間が主導的にやったんで私は従属的だ』とかいうことを言いやすい…それを“引っ張り込みの危険”というのですが、そういうことも含めて、きちんと供述を共犯者から丹念に聞いていくということが、やはり捜査においては必要になります。