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【リニア】環境影響めぐる国有識者会議で「報告書案」大筋了承に静岡県は不快感 一方…静岡工区の着工見通せぬなか岸田首相に早期開業求める動きも

2023年11月7日 17:55
【リニア】環境影響めぐる国有識者会議で「報告書案」大筋了承に静岡県は不快感 一方…静岡工区の着工見通せぬなか岸田首相に早期開業求める動きも

リニア工事に伴う環境への影響を議論する国の有識者会議で「報告書案」が示され、大筋で了承されました。一方、静岡工区の着工が見通せないなか、岸田総理にリニアの早期開業を求める動きも。

当初 予定されていた2027年の東京~名古屋間の開業が遅れる見通しのリニア新幹線。静岡工区の着工の目途がたたないなか、6日、東京~名古屋間で中間駅が設置される予定の神奈川、山梨、長野、岐阜の4県の知事が岸田首相のもとを訪れ、開業時期の見通しをはっきりさせることや、駅周辺地域の活性化に向けた支援を要請しました。

(岐阜県 古田知事)
「開業時期がはっきりしないので、見通しをつけていただきながら、しっかりビジョンをつくっていきたい」

(神奈川県 黒岩知事)
「新幹線全体がつながることが大前提。国家プロジェクトを前進させるようお願いしたい」

各知事の要望をうけ岸田首相は、国家プロジェクトであるリニアへの期待感を示した上で、早期開業に向けて努力していきたいと話しました。

(岸田 首相)
「さまざまな可能性のある魅力的な国家的プロジェクト。そういったプロジェクトであると我々も強く感じ、努力していきたいと思います」

そのリニア新幹線のトンネル工事により、JR東海は南アルプスの地下水が低下する予測を示していて、県は、絶滅の恐れがある動植物への影響を懸念しています。

国が設置した有識者会議は「水辺の生物」や「高山植物」に与える影響など、3つの論点について議論を続け、2023年9月「何らかの影響があれば工事の見直しを行う」などとする報告書案が示されました。これに対し、県は「生物の調査が不足している」などとして、国の有識者会議で議論を続けるよう求める意見書を提出していました。こうした中、7日は、新たに県の意見を反映した「報告書案」が示されました。

「報告書案」は、JRが行う調査に対し国が継続的に管理していくことなどを確認して大筋で了承されましたが、森副知事は有識者会議での議論を終えることについて不快感を示しました。

(静岡県 森 副知事)
「議論を行わなければならない論点がある。報告書がまとまり、これで終わりということになると、とても残念」

国交省は7日に出た意見を踏まえ、最終的な「報告書」を発表する方針です。

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