【影響懸念】物価高騰続く中で石破首相は「消費税引き下げ」否定…片やトランプ米大統領「相互関税」演説迫る
物価高対策が注目される中、石破首相は4月1日、「消費税の引き下げ」について否定しました。また、トランプ大統領が3日、「相互関税」の詳細を発表を予定。石破首相の今後の動きに注目が集まっています。
(石破首相)
「物価高への対応につきましては、 状況に応じて、今後とも切れ目なく実施をいたします」
私たちの生活を悩ませる‟値上げの波”。帝国データバンクによりますと3月だけでも、値上げされる飲料や食料品は4225品目にも上ります。この‟物価高”について、先週、国会で野党からは、‟消費税減税こそ強力な物価高対策だ”。‟食料品の付加価値税の減税も考えるべき”などと「減税について提案」があがっていました。
‟食料品に限った”消費税の減税について当初、石破首相は「一概に否定するものではない」と話していましたが…。1日の会見では。
(石破首相)
「税率の引き下げということは適当ではないと考えております。 諸外国と比べて我が国の消費税 の税率がどうかと、そして、全額社会保障に充てられている。これが減ったらどうしますかいうことも政府としては考えて いかねばならないと考えております」
減税について否定しました。今後、どのような‟物価高対策”が打ち出されるのでしょうか?これについては、夏に迫った参院選を見据え、その前に公約として掲げられるとの見方も出ています。
そして、世界中が注目しているのは、3日に発表されるトランプ大統領の「相互関税」。“関税”を巡っては、すでに「アメリカが輸入するすべての自動車に25%の関税を上乗せする」と宣言していて、この「追加関税」は3日から発動する予定です。
(石破首相)
「自動車などに対しますアメリカ の追加関税措置につきましては、 わが国は、アメリカへの最大の 投資国でございます。引き続き アメリカに対し、わが国の除外を強く求めてまいります」
「追加関税」から、さらに上乗せされる「相互関税」。そもそも「相互関税」とは、貿易相手国と同じ水準まで関税を引き上げること…。ホワイトハウスのレビット報道官は、これまでに、不公平な貿易をしている国として日本を名指し、「アメリカ産のコメに700%の関税を課している」と根拠を示さずに批判。「相互関税」は、コメなどの農産品も対象となる可能性があるのです。そして、1日には…。
(ホワイトハウス レビット報道官)
「私の理解では、関税の発表はあす行われる予定だ。即時発効する」
日本時間の3日午前5時に発表される見通しの「相互関税の内容」。レビット報道官は、「相互関税」について、「即時発効する」と述べ、その上で「トランプ大統領はアメリカ国民とアメリカ人労働者にとって完璧な取引になるよう、今も関税チームと共に完璧に仕上げようとしている」と強調しました。
1日、開かれた「トランプ関税」への対策について話し合う、自民党の戦略本部の初会合。
(自民党 小野寺 政調会長)
「アメリカのいわゆるトランプ関税が発動されます」「日本の大きな“経済の危機”に 私はなると感じております」
今後、関税の影響を受ける自動車会社などからヒアリングし、政府に提言する考えです。
静岡県内の自動車部品メーカーからも‟懸念の声”が…。
湖西市の「ユニバンス」は、「フォード」「 ホンダ」「 日産」などに自動車部品を納めています。
(ユニバンス 髙尾 紀彦 社長)
「“やはりやるんだな”と」「売り上げが減ることは十分予想 されるので、それにどう対応していくかが、企業として一番の課題になっています」
「ユニバンス」は、日本の工場の他に、アメリカなど海外に3つの拠点があります。製造した自動車部品はアメリカにも多く輸出しているため、‟トランプ関税”の影響は避けられません。アメリカの工場で生産すれば関税がかかりませんが、現地生産を大幅に増やすのは難しいといいます。
(ユニバンス 髙尾 紀彦 社長)
「(アメリカを)拠点として売り上げを伸ばしていくことは重要だと思います。ただ、われわれの課題として、アメリカの拠点でのものづくりが1996年に創業しましたが、なかなかうまくいっていない」
今後は、自動車以外の農機具などの部品製造を増やすほか新規事業への参入も検討するなど対応に迫られています。
(ユニバンス 髙尾 紀彦 社長)
「自動車業界自体が大変革期じゃ ないですか。それに対して中期 的にどのように企業が生き残る ために取り組んでいくかが一番 の命題だと思います。その中で、 トランプ大統領の関税の話も出 ていると捉えています。自動車 以外にどうやって事業を創造し ていくか、その中でわれわれの 存在意義をつくっていく」
トランプ大統領の‟相互関税”について専門家は…。
(静岡経済研究所 恒友 仁 専務理事)
「企業にとっては非常に難しい対応を迫られると思います」「関税がかけられる前段階でこの 2、3年で原材料費、燃料費が 上がっていて人材不足に端を発する賃上げもしなければいけな いということで、関税によって、さらにコストアップの要因にな ってしまうということで、非常に 厳しい状況だと思います」
さらに「相互関税」により‟先行きの不透明感が強まる”と話します。
(静岡経済研究所 恒友 仁 専務理事)
「今後も、トランプ関税によって不透明感の色合いはさらに強まってくると思いますし、短期的には終わらないかのかなと」「家計の方でもこれまでも物価高で節約志向が強まっていて、今後も、その動きはなかなか収まらないと思います。今も、企業はがんばって賃上げをしていますが、まだ、物価の上昇には追い付いていないので、県民も今の状況はしばらく我慢をしなければいけない」