イオン主導の小売業界「再編」 西友買収の影響は? 背景に人口減少や物流コスト増 北海道
スーパー業界の構図がまたひとつ変わります。
イオン北海道は2日、「西友」の道内にある店舗を買収すると発表しました。
それぞれ充実したプライベートブランドが人気ですが、消費者にとってのメリットはどこにあるのでしょうか。
(青柳記者)「交通量が多い通り沿いに位置する西友ですが、名前が変わることになりそうです」
札幌市内に9店舗ある西友について、イオン北海道は10月1日付けで買収すると発表しました。
従業員の雇用は継続しますが、店名は「イオン」や「マックスバリュ」などに変更に…
道内から西友の看板がなくなります。
(買い物客)「全部変わってしまえば別ですけどね。利用することに関しては今まで通りだったらなんの不便さもないですし」
(買い物客)「家が近いのでスーパー自体がここに残ってくれるのはありがたい」
1973年に北海道に進出した西友は、札幌市内を中心に岩見沢市などにも出店しました。
食品売り場に特化した24時間営業など、競合他社との差別化を図りましたが、次第に売り上げは伸び悩み、2021年からは外資系ファンドの傘下に入っていました。
そのような西友の経営状況に目をつけたのがイオン北海道です。
道内のスーパーの売り上げ高ではイオン北海道が1位ですが、コープさっぽろ、アークスグループとの「3強」時代が続いています。
売り上げ高261億円の西友を買収することで3500億円超えは確実に。
来年度には3800億円まで伸ばし、ライバル2社との差をさらに広げたい考えです。
また、イオングループはドラッグストア道内最大手のツルハを2027年をめどに傘下に入れるとすでに発表しています。
イオンが主導する小売業界全体の「再編」は今後も続くと専門家は分析します。
(日本経済大学 西村尚純教授)「規模を拡大するというのは(イオンの)創業時からの一貫した方針でもある。人口減少の中で物流コストがアップする中で生き残りを図るスケールメリットを目指す意味ではよく理解できる。規模が大きくなればなるほど物流や仕入れで効率化が可能になる」
西友といえばプライベートブランド「みなさまのお墨付き」が人気ですが、今後は「トップバリュ」などに統一されるとみられます。
西友が培ってきた商品開発のノウハウもプラスに働くといいます。
(日本経済大学 西村尚純教授)「トップバリュについてもさらにクオリティの高いプライベートブランド、これが安く幅広い商品で提供できるようになる。消費者にとって大きなメリットになる。イオンの場合は大型ショッピングモール、小型スーパーあるいはインターネットショップと非常にマルチなフォーマットを抱えている。住民のニーズに最適な店舗フォーマットを作り上げることができると、これもプラスだと思う」
北海道でも親しまれてきた西友の買収。
今後、家庭の食卓にどのような恩恵をもたらすのか注目されます。